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2016年11月25日 (金)

そのルネスタは必要ですか?

入院時から追加されたルネスタ。
それは退院後も必要なのか?
出口を見据えた処方・投薬なの?

CASE 187

女性 63歳 

他科受診:なし  併用薬:なし  

処方
Rp1) カンデサルタン錠8mg  1錠
         アルファカルシドールカプセル0.5mg  1C  朝食後  28日分

Rp2) ルネスタ錠1mg  1錠   分1 就寝前 28日分

患者のコメント:
「入院中、6人部屋だったから眠れなくて。みんな飲んでたし。。。」

患者・薬歴からの情報:
① 肺炎にて1週間入院。退院して1週間になる(退院処方Doで1週間)。
② ルネスタ錠1mg残5錠
③ 退院後、自宅で眠れないときにルネスタを2回使用したが、必要性は低い。

疑義照会:
(内容)ルネスタ使用頻度低く残薬あり
(回答) Rp 2)削除

□CASE 187の薬歴
#1 入院時に服用していたルネスタの継続は必要か?
 S)入院中、6人部屋だったから眠れなくて。みんな飲んでたし。。。
 O) 退院時処方Do1週。ルネスタ2回使用。残5錠。必要性低い。
 A)  睡眠薬を使う必要があるかどうかを考えてもらおう
 P) 睡眠薬は眠れなくて翌日にきついようなら使う価値がある。
   睡眠薬を使用してまで眠る必要があるかどうかを確認。
 R) 別に睡眠薬を飲まないと眠れないわけではない。
   なるべく頼らないようにします。 
 
□解説
 肺炎で入院した患者が入院時よりルネスタを服用していた。

 6人部屋にくわえて、21時の消灯。今までふつうに生活していた、23時過ぎにに就寝していた患者が眠れるはずもない。そういう状況で同じ部屋の患者がみんな睡眠薬をもらっていた、と。

 入院中は仕方ない(?)のかもしれない。しかし、肺炎が治って退院したのなら、生活は元に戻るわけだ。その睡眠薬は必要なのか? 28錠もお渡しする必要があるのか?

 入院時の状況と現在の状況の違いを確認のうえ、早いうちから安易に睡眠薬に頼らないことを提案。睡眠薬の服用が必要な方というのは、不眠のために、翌日の生活に支障があるような方であることを説明。結果、今回の睡眠薬は不要と患者本人が結論を出し、疑義照会にて削除となる。
 
□考察
 GABAA受容体作動薬を安易に長期に続けてしまうとその離脱は難しくなってくる。特に高齢者でその傾向が強く、その結果、潜在的な転倒リスクなどを抱えてしまうことになる。

 今回のケースでは、入院というイベントさえなければ睡眠薬を服用することはなかったのだし、必要性が低いにもかかわらず安易に睡眠薬に頼るという姿勢はよくない、と僕は思う。

 適正使用とは何なのか。それは文字通りに適正に使用することだけではない。不要な薬を使わないこともその意味には含まれている。

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2016年11月18日 (金)

日経DI 11月号のDIクイズ2を担当しました

11月号のDIクイズ2を担当しました。
剤形、用法、製剤学・・・

Diq

続きは本誌(プレミアム版)で。

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2016年11月11日 (金)

2016年11月のコラム ~WFとMCZゲル、併用禁忌の裏側~

2016年11月の薬局にソクラテスがやってきた
WF-MCZが併用禁忌に至った理由。
MCZゲル低用量の定量限界未満って?


【第71回】


 WFとMCZゲルが併用禁忌に至った理由とは。

 重篤な出血症例の蓄積(他のアゾール系に比べると断然多い)。有効性の観点からも優先度は低い。にもかかわらず、WFとMCZの併用による重篤な出血がなくならない。

 低用量なら安全か? 

 以上の流れでまとめてみました。

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2016年11月 4日 (金)

「知性がなければサッカーはできない」

「何を、どう考えるべきか。
 それさえ明確に意識できれば、答えはすでに出ている。
 あとは具体的にどうすればいいいかだけだ」

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【ノーマルに生きる】

 どうしてあなた方はいつも同じ質問をするのか。自分たちの弱さを告白し、他人に答えを求める。そんなふうに考えること自体が、弱さに正面から向き合っていない証拠だ。(中略)もう少し自分に自信を持つべきだ。すでに進歩しているではないか。ノーマル(普通であること。正常であること)であり続けるべきだ。かつてあなた方がつねにそうであったように。
 あまり過度な爆発(爆発的な進歩や変化)を期待するべきではない。多くのことを学んで、爆発ですらノーマルなものとして実現する。

 (イビチャ・オシム『急いてはいけない』ベスト新書 P. 20-21)

 「ノーマル」オシム哲学の鍵概念。しかし、僕らはいろんなことに急かされていて、ノーマルに生きることが難しくなっている。だからオシムは、タイトルにもあるように、「急いてはいけない」とアドバイスを送る。さらに、急ぐと潰されてしまうとも。

 ノーマルに生きるためには自信を持たなくてはならない。そのためには努力をしつづけなければならい。そして、プレーをしなければ自信というものは得られないし、すべての分野において最高になる必要はない。

 では、その努力はどのようになされるべきなのか。急かされていても、まずは立ち止まる。そして、落ち着いて考える。何を、どう考えるべきか、を。

【コレクトでありつづける】

 もうひとつは「正しい(コレクト)」とは何かという問題がある。
 正しいと思い込むのと、現実に的確に行動するのとはまったく別のことだ。というのもすべてが「正しく」なり得るからだ。
 監督は正しい練習を実戦する。
 フィジカル、テクニック、戦術に関して、監督は正しく練習を行う。
 内容も実践方法も、また目的も意図も、多かれ少なかれ正しい。
 だが「正しい」というのは、できる限り最高の仕事をすることであり、それこそが「正しい」の意味だ。
 より具体的には、選手やチームに必要なことを的確に行うことであって、「正しく」働くことではないし、選手が好まないことを「正しく」行わせることでもない。

 (イビチャ・オシム『急いてはいけない』ベスト新書 P. 95-96)

 「コレクト」オシム哲学のもう一つの鍵概念。つねにコレクトであることもまた難しい。コレクト(適切)に対応するということは一人の問題ではないからだ。それは環境に左右される。コレクトでありつづければ、現実に的確に行動できれば、必ずいい雰囲気が作り出せる。それはノーマルでありつづけるための自信や不断の努力へとつながるはずだ。

 そう、正しいというのは、思い込みではなく、「できる限りの最高の仕事」を提出すること。だから、それは仕事によって評価されるべきものなのだ。

【ディテールを保存する】

 私が思うにサッカーとは唯一無二の「氷の塊」であり、他に類のないオリジナルなひとつの人生だ。サッカーのすべての出来事、人生で起こるすべての出来事は、この氷の塊の中に見ることができる。氷の中に、社会の中の自分のイメージを見いだせる。自分が語ったすべての言葉、待ち望んでいるすべてのものとともに。それらは決して避けて通ってはならないものだ。
 言葉も思いも氷の中で結晶化している。だから、それぞれのテーマごとにカットされたビデオテープを頭の中に持つべきだ。それぞれのビデオテープに、必要なものを映し込んで保存する。経験をそこに保存する。そして必要なときに取り出して見る。ディテールを保存しておけば、何かあったときに少なくとも確認することができる。

 (イビチャ・オシム『急いてはいけない』ベスト新書 P. 195)

 なぜ、うまくできないのか。いいプレーが生まれないのはなぜなのか。それはディテールがあいまいなままだからだ。ディテールがあいまいなままでは、やるべきことをしっかりと詰めることなどできない。抽象的な目的のままでは、具象の世界では何が起こるかはわからないからだ。どのように具現化するか。そのとき参考にすべきものは経験であり、教えである。しかし、どちらもディテールを取り出して確認できるように保存しておかなければならない。

 ジャーナリズムにおいて重要であるのは、同じことを繰り返さないことだ。(中略)異なる論理、異なる言葉で語られるのは、そのテーマに魅入られているからであり、テーマを進化させているからに他ならない。真摯にサッカーを追いかけている証拠だ。(中略)自分の経歴を誇示するつもりはないが、そんなふうに生きていかねばならないし、考えていかねばならないと思っている。他の人々のために働き始めねばならないかも知れない。未来のために。未来は彼らのためにあるのだから。

 (イビチャ・オシム『急いてはいけない』ベスト新書 P. 196)

 僕らは考え、決断し、行動する。しかし、自分がしたことをもう一度考えてみるということをあまりしない。だから、記録する。記録することは振り返ることでもあるからだ。そして、それを残し、公開すれば、未来のためになるかもしれない。だから、続けていこう。

 「チームメイトのためにスプリントをする」「誰もがチームのために走る」サッカーとはそういうもので、それを理解して始めて、コレクトでありつづけることができる。立っているだけでは何も始まらない。そういう「知性がなければサッカーはできない」のだ。
 

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