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2016年8月26日 (金)

2016年8月のコラム その2 ~プラザキサとCAMのなぜ~

2016年8月の薬局にソクラテスがやってきた」その2
P-gpの典型基質薬と阻害薬。
例外的な組み合わせ。

【第67回】


 「基質薬のBAや、P-gp阻害薬と基質薬の排泄経路の組み合わせによって、どの臓器のP-gpに起因するのか推測可能なのだ」には、もちろん例外もある。

 プラザキサのBAは6.5%で、腎排泄型の薬剤だ。これとクラリスロマイシンを併用すれば、理論的には、強力なP-gp阻害薬であるクラリスロマイシンが小腸のP-gpを主に阻害することになる。が・・・

 <プラザキサの相互作用>
 併用禁忌:イトラコナゾール
 併用注意(減量考慮) :ベラパミル、アミオダロン、キニジン、シクロスポリンなど

 クラリスロマイシンも他のP-gp阻害薬と同じように減量考慮となる併用注意となっておかしくない。しかし、クラリスロマイシンは別枠での扱いで次のようになっている。

Cam

 この理由はわからない。経口投与される薬剤なら、すべてそこで出会うはずだからだ。そこで? どこで? 腸管(広義の小腸:十二指腸・空腸・回腸)のどこで主に相互作用が起きているのだろう。

 併用禁忌のイトラコナゾールの吸収部位は「上部腸管」。十二指腸・空腸あたりか? 一方のプラザキサの吸収部位は「消化管」って、アバウトすぎる・・・。この考えもダメか・・・。一応、問題のクラリスロマイシンの吸収部位は、

 3.吸収
該当資料なし
〈参考〉
ラットの in situ 消化管吸収実験から,胃からはほとんど吸収されず,主に十二指腸から回腸に至る小腸の広範な領域から速やかに吸収されることが示された。

 クラリスロマイシンは広範囲から吸収されるがゆえに、プラザキサの小腸P-gpによる排泄への影響が少なかった? でも肝心のプラザキサの吸収部位が「消化管」では・・・。

 ちなみに、ベラパミルの吸収部位は「腸管」、アミオダロンは「消化管全域」、キニジンは「上部胃腸管」、シクロスポリンは「上部消化管」。う~ん・・・。

 やはり、何事にも例外はあるということにしておこう。
 

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2016年8月19日 (金)

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DIは相互作用特集。
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2016年8月12日 (金)

ザイティガ錠の併用注意について

併用薬のチェック。
相互作用の項目の確認だけでよいのか?

ザイティガ服用患者の低カリウム血症を回避する

CASE 184

男性 80歳 

他科受診:泌尿器科  併用薬:
Rp1) ザイティガ錠250mg  2錠
    1日1回 食事の1時間以上前または食後2時間以降
Rp2) プレドニゾロン錠5mg  1錠
    ラベプラゾール錠10mg 1錠 分1 朝食後

処方(3は定期、4が追加):
Rp3) ロサルヒド錠LD 1錠 分1 朝食後  28日分

Rp4) ツムラ小青竜湯エキス顆粒 7.5mg  分3 毎食前  28日分

患者のコメント:
「水みたいな鼻水がスタスタと。なにかに反応しているんだろうって」

疑義照会:
(内容)ザイティガ服用中のため、低K血症のリスクを避けたい
(回答) 眠くならない薬を希望されたので
     Rp4)→フェキソフェナジン錠60mg 2錠 分2 朝・夕食後 へ変更

□CASE 184の薬歴
#1 フェキソフェナジン初回服薬指導
 S) 水みたいな鼻水がスタスタと。なにかに反応しているんだろうって
 O) 低K血症回避のため、疑義にてツムラNo.19→フェキソフェナジン
   眠くならない薬を希望。果実ジュース→あれば飲むくらい
 A) フェキソフェナジンが最適だろう。フェキソフェナジン初薬。
 P) 抗アレルギー薬の中ではもっとも眠くなりにくいタイプ。
   AJやOJなどの果実ジュースの服用で効果減弱。
   避けるもしくは服薬後2時間以上あければOK。
 
□解説
 前立腺癌にてザイティガを服用している患者で、通常の用量よりも少ない量にて継続中。当局からはロサルヒド錠のみ。この時点ですでに、利尿剤との併用になっていた為、Kの動向には注意していた(4.0mEq/L、腎機能もNP)。

 今回、さらに甘草含有の漢方薬が追加になってしまう。小青竜湯は甘草を3g/日も含有しており、芍薬甘草湯についでエキス製剤の中では多い。しかも28日分。そこで、低カリウム血症のリスクを回避するために疑義照会を行う。

 患者が眠くならないモノを希望したために漢方薬を選んだ、ということだったので、眠くなりにくいフェキソフェナジンを代替薬として提案し、採用となった。フェキソフェナジンは果実ジュースの併用でAUCおよびCmaxが60~70%も減少することが報告されており、それを回避することを中心に初回服薬指導を行っている。
 
□考察
 ザイティガの相互作用をのぞくと次のような記載になっている。

Z1

 利尿薬や甘草含有の漢方薬といった記載は見当たらない。ところが、慎重投与の2)には具体的な薬剤名こそないが、次のように注意喚起がなされている。

Z2

 ここには“併用薬”としっかりと記載されている。添付文書のつまみ喰いだけではダメ、と言われれば確かにその通りなのだが、それ以前にやっぱり不親切な気が・・・。ちなみに「ザイティガ適正使用ガイド」には次のように注意換気がなされている。

Z2_2

 患者の併用薬とそれにまつわる情報。そういったものはセットにしてフェイスシートで管理するに限る。ザイティガのような薬それ自体を僕は滅多に投薬することはないのだから。  

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2016年8月 5日 (金)

2016年8月のコラム その1 ~CIMが関与する相互作用~

2016年8月の薬局にソクラテスがやってきた」その1
CIMによるCYP阻害作用とドーズの関係。
CIMが関与する相互作用を俯瞰する。

【第65回】


 CYPによる薬物代謝の阻害の程度、それは阻害薬の用量に依存する。その際たる例がシメチジン(CIM)だ。CIM400mg/dayと海外文献で目にする1,000mg~1,200mg/dayでは、代謝阻害の程度がまったく異なる。

 では、CIMのドーズで対応の線引きをすればよいのか? 健常人はそれでいいかもしれない。が、CIMが腎排泄型の薬剤だ。その関係はCIMとメトホルミンの相互作用でも同様と考えたほうがいいだろう。

【第66回】


 CYPが関与する相互作用というのは、変化の大きいものが多く、かつ予測しやすい。ゆえに、もっとも警戒すべき相互作用ではある。

 CYP阻害薬やMATE阻害薬、こういった名称がつくと、その相互作用はイメージしやすい。しかし、薬が生体に影響を与える以上、PKやPDのいろいろな場面で相互作用が起こっている。頭の整理におススメの一冊。

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