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2016年4月29日 (金)

2016年4月のコラム その3 ~熊本地震本震からの1週間~

2016年4月の薬局にソクラテスがやってきた」(その3)
熊本地震関連コラム6本
どうせ夜は眠れないので書き始めたという側面も。。。

【第55回】 


 DI Onlineコラム「薬局にソクラテスがやってきた」の著者で薬剤師の山本雄一郎氏。4月16日の熊本地震で被災し、物資不足が続く被災地で患者対応に奔走しています。大変な状況の中、震災直後の様子をリポートしてくださいました。避難所生活の長期化が予想される中、SGLT2阻害薬による脱水も懸念しています。

熊本の本震発生から3日目。処方箋を持参せずに慢性疾患の処方薬を求める患者に、どう対応するか――。薬局薬剤師の山本雄一郎氏は、「住」「食」そして「副作用による二次被害のリスク」を念頭に、患者対応を行っています。
 熊本の本震から3日目の夜、「処方箋なしで保険調剤してもよい」という事務連絡が出されました。ある患者さんは、これまで通っていた医療機関にかかれなくなり、薬を求めて初めて来局しました。


 熊本地震から5日目。薬局の近隣の病院が再開しました。医薬品卸の企業努力によって、発注にほぼ問題はない状態に。休診中に避難所を回っていた医師から、「一包化された薬を患者さんに見せられて戸惑った」という話も聞きます。


【第59回】 


 「薬局にソクラテスがやってきた」の著者・山本雄一郎氏による熊本地震の記録。6日目を迎え、診療体制の乱れが落ち着きつつある中、山本氏は前職でもある製薬企業のMRについて思いを馳せます。MRと薬剤師に共通することは--?


【第60回】 


 熊本地震から1週間が経過した4月22日。市内の一部地域では水道が復旧し、コンビニエンスストアには商品が並ぶようになりました。薬局は再び“日常”へと戻りつつあります。

 以上、熊本地震本震の翌日からの6日間。普通の調剤薬局における記録。

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2016年4月22日 (金)

2016年4月のコラム その2 ~ヴィキラックスとCCBの併用はできるかぎり避けよう~

2016年4月の薬局にソクラテスがやってきた」(その2)
CYP3A4阻害薬第2弾!
「リトナ・ブースト」ってなんかの必殺技みたい(笑)

【ヒット記事再録】


 副題をつけるとすれば「機序不明の陰にトランスポーターあり」です。そして、「実に複雑だ」。

 【ヒット記事再録】グリベンクラミドを飲んでいるRさんに、CYPを誘導するリファンピシンが追加になった。そこで「グリベンクラミドの効き目が少し弱くなるかもしれない」と指導したら、後日Rさんは低血糖に…。これは添付文書やインタビューフォームには載っていない作用機序が関わっている、と山本氏は指摘します。
##
山本雄一郎の「薬局にソクラテスがやってきた」:薬局で生じる数々の疑問を山本氏がモノローグ調で解き明かすコラム。2014年1月から連載開始。※記事は2014年に公開されたものです。現状と異なる可能性があります。


【第54回】


 とかく価格ばかりが話題となりがちなDAA治療ですが、僕らはまず飲み合わせに注意しないといけません。

 C型肝炎に対する経口薬治療の選択肢には、ハーボニー配合錠、ヴィキラックス配合錠、ダクルインザ+スンベプラ(併用療法)があります。ヴィキラックスはハーボニーに比べて併用禁忌や併用慎重が多いのですが、それはヴィキラックスにHIVプロテアーゼ阻害薬のリトナビルが配合されているため。その注意点や機序を分かりやすく解説します。

 現在、ヴィキラックスの第4回の市販直後調査状況報告の実施中ですが、投与9日目に多臓器不全により死亡に至った症例が報告されたようです。この症例ではニフェジピンの最大用量80mg/日が併用されていたとのこと。投与開始初日より血圧低下が認められ、6日目にすべての内服薬を中止するも回復することなく死亡。

 やはりヴィキラックスを選択する際には、できるかぎりカルシウム拮抗薬の併用を避けたほうがよさそうです。

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2016年4月15日 (金)

【延期となりました】 「大分にソクラテスがやってきた」のご案内

2016年4月16日15時加筆 

 4月15日0時にアップしました本記事「『大分にソクラテスがやってきた』のご案内」の訂正です。

気象庁は、記者会見で、16日午前1時25分ごろに起きたマグニチュード7.3の地震が「本震」で、それより前のおとといの夜に発生した熊本地震が「前震」にあたるという見解を示しました。

 「前震」って何だよって感じでした。記事をアップした数時間後の「本震」。これがダメージ大でした。今の状況に加え、余震を考慮し、延期となりました。復旧作業も視野に入れ、5月の八戸も延期です。予定されていた皆様にはたいへん申し訳ありませんが、何卒ご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。

                                        山本 雄一郎

講演会のご案内。
案内状がインパクトあるな~


 いつも当ブログをご覧いただき、ありがとうございます。今回は講演の案内です。

 1月の佐賀に引き続き、4月は大分です。今年は自分自身のブラッシュアップの意味も含めて、時間の許す範囲で講演を引き受けました。今後は5月に八戸、7月に札幌、9月に北九州に出没予定です。内容はご来場いただいてのお楽しみということで。

Photo

 懇親会もあります。お時間に余裕のある方はぜひご一緒しましょう。それでは、よろしくお願いいたします。

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2016年4月 8日 (金)

2016年4月のコラム その1 ~アゾール系抗真菌薬の併用禁忌~

2016年4月の薬局にソクラテスがやってきた」(その1)
アゾール系抗真菌薬の併用禁忌まとめ。
併用注意も無視できないものが多いのだが・・・

【ヒット記事再録】


 関連の薬歴公開は「CASE 54 本当の肝機能」(2010/3/26)です。

 【ヒット記事再録】「肝機能をおうかがいしたら、ASTとALTが50くらいだそうです。値がどのくらいになったら、注意すればいいですか?」新人薬剤師のこんな質問に、あなたならどう答えますか。
##
山本雄一郎の「薬局にソクラテスがやってきた」:薬局で生じる数々の疑問を山本氏がモノローグ調で解き明かすコラム。2014年1月から連載開始。※記事は2014年に公開されたものです。現状と異なる可能性があります。


【第53回】


 飲み合わせの確認は残薬まで視野に入れる。早いうちにこういう経験ができたことは僕にとって幸運でした。

 アゾール系抗菌薬の併用禁忌(内服のみ)をまとめておきます。

ジフルカン:ハルシオン・クリアミン・ジヒデルゴット・キニジン・オーラップ

フロリード:ハルシオン・クリアミン・ジヒデルゴット・キニジン・オーラップ
リポバス・カルブロック・バイミカード・ロナセン・イグザレルト・スンベプラ

イトリゾール:
ハルシオン
・クリアミン・ジヒデルゴット・キニジン・オーラップ
リポバス・カルブロック・バイミカード・ロナセン・イグザレルト・スンベプラ・ベプリコール・メテルギン・レビトラ・セララ・レバチオ・アドシルカ・バニヘップ・ベルソムラ・ラジレス・プラザキサ・アデムパス(下線はP-gp関与)

ブイフェンド:ハルシオン・
麦角アルカロイド(
クリアミン・ジヒデルゴット)・
キニジン・オーラップ
・リマクタン・ミコプティン・ストックリン・ノービア・カレトラ・テグレトール・長時間作用型バルビツール酸誘導体(バルビタール、フェノバルビタール)
*カレトラはリトナビル含有製剤として。ということは、ヴィキラックスも。

<ジフルカン(フルコナゾール)>

Jifurukann

<フロリード(ミコナゾール)>

Furori

<イトリゾール(イトラコナゾール)>Itorizoru

<ブイフェンド(ボリコナゾール)>

Bufenndo

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2016年4月 1日 (金)

大事なものほどわからない

大衆人とは? その典型こそ僕らなのかもしれない。
「自己を迷える者と自覚しない者は、必然的に自己を失う」(難破者の思想)



それは全能でありながらその日暮らしなのである。大衆人とは生の計画をもたない人間であり、波のまにまに漂う人間である。したがって、彼の可能性と彼の権力がいかに巨大であっても、何も建設することがないのである。

(オルテガ・イ・ガゼット『大衆の反逆』ちくま学芸文庫 P. 67-68)

 大衆支配の予言の書ともいわれる『大衆の反逆』。本書での大衆人の定義がこれだ(この対極に位置する人間のことを「少数者」もしくは「真の貴族」と表現している)。能力はあるにもかかわらず、自分の方向を見出すことができない。つまり、行動することがない。

 この本を読んで思い出すのは、オルテガより前に大衆社会の予言したニーチェだ。

 「(前略)羊飼いはおらず、群れが一つあるだけ! 誰もが平等を望み、誰もが平等である。そう感じない者は、自分から精神病院に入る。
 『以前は、世の中がみんな狂っていました』―そう言って、お上品な連中がまばたきする。
 賢いので、起きたことはなんでも知っている。だから嘲笑の種が尽きることはない。口喧嘩もするが、すぐに仲直りする。―でないと、胃の具合が悪くなる。
 昼のお楽しみがある。夜の楽しみもある。だが健康には敬意を払っている。
 『わたしたちが幸せをつくりだしたのです』―そう言って、最後の人間がまばたきする」―

 (ニーチェ『ツァラゥストラ(上)』光文社古典新訳文庫 P. 30-31)

 この新訳では「最後の人間」と表現されている(以前読んだ他の翻訳では「末人」とされていた)、これが「大衆」だ。大衆は全能であって、なんでも知っているのに、何かをなすことはない。そして、すべてを煩わしく感じるから、平等を欲しているのだ。

 こういった警句に触れ、大衆にはなりたくない。そう感じる。それは悪いことではない。だが、大衆に対して嫌悪感を抱くようなら危ないかもしれない。なぜなら、大衆人には「大衆は大衆が大嫌い」という特徴があるからだ。

 わたしたちの社会は、たしかにニーチェが予言したとおりの大衆社会となりました。
 ただし、一点だけニーチェの予言ははずれました。それは大衆自身が「ニーチェ主義者」になってしまった「ニーチェ主義的大衆社会」になってしまったということです。まさかニーチェも、自分の説いた「大衆蔑視」の思想が、これほど大衆社会で「受ける」とは思っていなかったでしょうね。
 大衆は大衆が大嫌い。
 それが「ニーチェ主義的大衆社会」のきわだった特徴です。
 (中略)
 ある理論の批評性は、その理論の信奉者が少ないという事実に担保されているんです。

 (内田樹『死と身体 コミュニケーションの磁場』医学書院 P. 181-183)

 日本ではニーチェが受けた。そして日本にはニーチェ主義者がいっぱいいる。自分こそは超人である、と思っている大衆が大衆を嫌っている。

 また、オルテガは「今日の科学者こそ、大衆人の典型だ」とも言っている。

 歴史上前代未聞の科学者のタイプが現われた。それは分別ある人間になるために知っておかなければならないすべてのことのうち、一つの特定科学だけしか知らず、しかもその科学のうちでも、自分が積極的に研究しているごく小さな部分しか知らないという人間である。

(オルテガ・イ・ガゼット『大衆の反逆』ちくま学芸文庫 P. 157)

 その結果、大事なものほどわからないものなのだ、といったことが科学者や専門家には理解できない。そして、ただ科学に没頭するのは逃げである。なぜなら、科学の対象は常に抽象的であって、抽象的なものは抽象がゆえに明晰だからだ。

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