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2015年12月30日 (水)

「薬局にソクラテスがやってきた」2015年記事一覧

2015年のブログ納めはソクラテスのアーカイブ。
日経DIO連載中の「薬局にソクラテスがやってきた」2015年記事一覧

 今年もブログ納めは、2015年DIO記事のアーカイブです(今年も熊谷兄貴のマネで。熊谷さんの記事一覧はこちら)。なんとか2年目も無事に乗り切りました。といっても楽しんで書いているので、来年も今のペースでお届けできればと思っています。

 そしてそして、おかげさまで、年間閲覧ランキング【第1位】を獲得することができました。パチパチ~。さらに青島さんとのワン・ツー。パチパチパチ~。みなさまの応援、本当にありがとうございました!


山本雄一郎の「薬局にソクラテスがやってきた」2015年記事一覧


2015/ 1/16



2015/2/24 

2015/3/11 

2015/3/23 

2015/4/8

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2015/5/8 

2015/5/20 

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2015/8/25 

2015/9/7 

2015/10/2 

2015/10/19

2015/11/5 

2015/11/17 

2015/12/2 

2015/12/16

 以上、23本のご紹介でした。

 毎週金曜日のブログ、月2本のコラムの目標もほぼほぼ達成! 今年もたくさんの方に応援していただき、感謝感謝です。

 また、日薬大会や熊薬卒後教育講演と充実した一年になりました。来年も講演や学会で全国にお邪魔する予定です。講演は本当にたくさんのご依頼をいただいてまして、来年はもうこなしきれそうにありません。すみません。そのぶんもブログやコラムなどで面白い記事をお届けできたらと思っています。

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2015年12月25日 (金)

2015年12月のコラム ~リリカの別の話題と腎機能の評価それ自体~

2015年12月の薬局にソクラテスがやってきた
リリカが徐波睡眠を増やす?
添付文書のCCrはなんでeGFRなの?

【第45回】


 関連の薬歴公開は「リリカの用法と浮動性めまいの発現率」です。

 前半はリリカの副作用の特徴、後半は用法とめまいの発現率の関係、という構成です。

Ririka

 では、リリカの就寝前の服用はどうなの? そのままぐっすり寝てしまえば(中途覚醒がなければ)問題はないでしょう。それよりも僕が気になるのは“徐波睡眠(ノンレム睡眠)が増える”という噂。

 ラット(*1)や健康成人(*2)では徐波睡眠が増えるという報告があるようです。睡眠薬が減らせるかも! いやいや、夜中の転倒が増えるのでは? だって空腹時だし、睡眠薬を併用するようなものでしょ?

 とりあえず、リリカが就寝前で処方されたときに、睡眠薬の減薬を提案するというのも手かもしれません。

 *1:Kubota T, Fang J, Meltzer LT, et al.:Pregabalin enhances non rapid eye movement sleep. J Pharmacol Exp Ther 299:1095-1105, 2001

  *2:Hindmarch I, Dawson J, Stanley N:A double-blind study in healthy volunteers to assess the effects on sleep of pregabalin compared with alprazolam and placebo. Sleep 28:187-193,2005
 

【第46回】


 今年の最後の記事は何にしようかな~と迷いましたが、腎機能の評価に関することにしました。「ソクラテス流・CCrとeGFRの使い分け」の補足・訂正(2015/12/18)も併せてご覧ください。

 
基本はeGFR(mL/min)です。いちばん正確ですから。ただ現場では、患者さんによっては、S-Crだけで事足りることもあります。もちろん
ハイリスク薬では
eGFRを使うべきですが、患者さんの状態によっては、CCrを使うこともあります

 さらに、添付文書のCCrはeGFRと同じです(下の図5参照)。もちろん、検査結果に載っているeGFRではないですよ。単位を省略するとわけがわからなくなりますね。

Ccrgfr

 平田純生編集『腎臓病薬物療法ベーシック』じほう P. 28 より
 

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2015年12月18日 (金)

「ソクラテス流・CCrとeGFRの使い分け」の補足・訂正

2015/12/16にアップした日経DIOの記事
の補足・訂正です

 記事の後半、「一方、CG式で求めたCCrは加齢とともに腎機能を過少評価する傾向があるため、高齢フレイル患者において、eGFR(mL/分)よりも予測精度が高くなる」この部分の説明のために、ファルマシアの図1を引用しました。しかし、この部分を説明するためには、文脈的にも下の図2を持ってくるほうが適切でした。

Photo   (ファルマシア2015;51(9):863-7.より引用)

 こちらはx軸に年齢を持ってきており、「加齢とともに」という表現をよく表しています。コラムで用いた図1は85歳固定ですから、「加齢とともに」が表現できません。そして、x軸が体重。つまり、CCrに肥満体重を用いるのは危ないといった説明をするのには適していました。

 図2を見ると、「25歳を超えると、CCrが年に1%ずつ低下していく」という考えがCCrの場合であるということがよくわかります。右下がりの一直線ですね。対して、eGFRの方は緩やかに低下しています。ふつうはこういう曲線を描くわけです。

 今年、最後の記事も詰めが甘く、申し訳ありません。記事を放って時間が経っていますので、当ブログへにて補足・訂正の形にさせていただきました。

 来年もよろしくお願いいたします。    

 山本雄一郎

 

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2015年12月11日 (金)

高齢女性へのセレコックス投与は要観察

COX-2選択的阻害薬セレコックス。
この薬が効きやすい患者背景。

それにしてもこの性差の理由はなんなのだろう?

CASE 177

女性 90歳 

他科受診:なし  併用薬:なし

定期処方:
Rp1) アムロジピン錠2.5mg 1錠 
        アルファカルシドールカプセル1μg  1C  分1 朝食後   28日分

Rp2) セレコックス錠100mg  2錠
    テプレノンカプセル50mg  2C 分2 朝・夕食後  28日分

Rp3) センノシド錠12mg  2錠 分1 就寝前 28日分

患者のコメント:
「夜はあまり足も痛まないし忘れてしまうの? お昼か寝る前でもいい?」

患者の情報:
① 膝関節痛にてセレコックスを服用中
② 食欲(+)、黒色便(-)、むくみ(-)、尿量NP
③ セレコックスの飲み忘れ(残薬あり)、飲み忘れても痛くて困ることはない

疑義照会:
(内容)セレコックス、テプレノンともに残薬あり
(回答)Rp2)削除

□CASE 177の薬歴
#1 セレコックスは1日1回でいいかもしれない
  S) 夜はあまり足も痛まないし忘れてしまうの? お昼か寝る前でもいい?
 O) 残薬あり→Rp2)削除、食欲(+)、黒色便(-)、むくみ(-)、尿量NP
 A) セレコックスは1日1回で十分かもしれない
 P) 昼は時間が近く、腎臓に負担になるのでダメ。
   夜は痛くないのであれば朝だけで試してみて。
   同様の内容を手帳に記載。次回、Drに手帳を見せて。
 
 
□解説
   90歳とは思えないくらいしっかりしたおばあちゃん。セレコックスの夜を飲み忘れてしまうという。リカバリを寝る前というのは理解できるが、昼でもいいか? というのは予想できなかった。こういう発想をする方もいるから気をつけないといけない。

 しかし、今回の問題はリカバリではなく、セレコックスを飲み忘れても問題がない、という点にある。つまり、1日2回服用しなくてもいいわけだ。90歳なので、予想以上に半減期などが伸びて効いているのかもしれない。むしろ、効きすぎている? そう思い、副作用のモニタリングをするも今のところ問題はないようだった。

 そこで1日1回でのセレコックスの服用を提案。経緯をお薬手帳に記載し、次回受診時にDrにも見せるようにお願いしている。
 
 
□考察
 
この症例の後日談。セレコックスの服用は1日1回で充分で、処方も1xへと変更になった。

 どのくらいパラメータが変化していたのだろう。そう思い添付文書を開く。それは驚愕の内容だった。インタビューフォームのほうがわかりやすいのでそちらを下に示す。

Photo_2

2_2

 高齢者のAUC増加などは2割増しくらいかな、そう思っていた。しかし、高齢女性ではさにあらず。非高齢男女に比べて、健康高齢男性のCmaxおよびAUC12hrは120%と130%と想定範囲内だったのに対し、健康高齢女性のそれはいずれも約220%にも達している。

 これは驚きだった。高齢女性は、それだけで副作用に注意が必要な患者背景だといえる(この性差の理由はわからない。高齢に限らず、NSAIDsによる浮腫は女性の方が多いように感じる。その点も関係あるのだろうか?)。

 さらに、健康高齢女性では半減期も17.77時間へと大きく延長している。もちろん、17.77時間±7.43と幅も大きく、MINの10.34時間なら非高齢と変わらないので1日2回の服用が必要になるだろう。しかし、MAXの25.2時間近くまで延長しているようなら1日1回で充分なわけだ。この点は観察が必要だろう。

 つまり、高齢女性にセレコックスを投与する場合、薬理作用の過剰発現に注意するとともに、場合によっては1日1回での服用を提案することも考慮にいれてよさそうだ。そもそも日本人はNSAIDsを漫然と服用しすぎている。慢性疼痛に使われるセレコックスではなおのこと。そこで高齢女性の処方に対して、このパラメータの変化を根拠に切り込んでいきたいと思う。
 

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2015年12月 4日 (金)

第48回日本薬剤師会学術大会分科会12をふりかえる

日薬大会 分科会12 「ICTによる情報の共有と活用」
ご来場いただきました皆様、SNSで参加していただいた皆様、
そして関係者の皆様とみやQさん、まことにありがとうございました。

Ict1

【座長講演と分科会のスタイルについて】

 分科会は座長公演で幕を開けます。豊見先生が“情報の差し出し方”がいかに重要であるかを実際の例をあげて紹介。次いで演者と座長の紹介という斬新なスタイルでした(座長公演の内容はこちら)。

Ict7

 斬新なスタイル書きましたがもっと斬新なのは、この分科会のあり方そのものでした。写真OK、SNSでのアップOK、ツイキャスOK。座長より、この宣言がなされたあとのシャッター音たるや。僕もこんなに写真を撮られたのは初めての経験でした。

 この分科会のスタイルには賛否両論があるでしょう。ただ学会のあり方そのものに一石を投じることはできたのではないでしょうか。

【情報発信とその心構え-炎上なんか怖くない-】

Ict2_2


 一番手は熊谷先生。熊谷先生の情報発信が面白いのは情報そのものではなくて、その情報の見方、切り口、視点といったものと感じていました。なぜそれを獲得できるのでしょうか? それは「自分の言葉で情報を発信している」からでした。

 “自分の言葉”と一口で表現しましたが、それはかなり推敲を重ねたものです。時には棘を含むことにもなるそうです。そんなことよりも「いかにしっかりと伝わるか」を優先するのだと。

 誰にも届かない情報というものは発信していないのとなんら変わりません(それでも別の価値はあります)。その情報を誰に届けるのか。つまり“宛て先”です。これは僕宛て(私宛て)のメッセージだと感じた人だけに届くのです。こういうものを意識していない人の情報発信というものは、その情報の内容に関わらず、届かないものなんですね。

 そして「炎上」。その原因は「言葉(の鋭さ)」と「タイトル」そして「匿名性」にあると。なるほど。さらに炎上を逆手に取ることもあるといった内容にただただ脱帽。やはり兄貴はハートの強い人間なのでした。

【“薬歴公開”と“ソクラテス”が目指すパースペクティブ】

Ict4


 二番手は僕。僕の戦略は抽象と具象の世界を行ったり来たりすることで成長を図るといったもの。抽象すぎて、なかなか文章で綴るのは難しいのですが、それでも具体的なポイントとして、次の二つを提案しました。

 1、まとまったものを読んで俯瞰的な視点を手に入れよう。
 2、Blogというツールを活用することで表現する場を手に入れよう。

 そして、平田オリザの格言
 
 「私たちはテーマがあって書き始めるわけではない。
  むしろテーマを見つけるために書き始めるのだ」
        (平田オリザ『演劇入門』講談社現代新書 P. 108)

 書くことであなたのテーマが見つかります。そして表現する場を持つことで、あなた自身の成長を図るとともに仲間にエールを送ることができます。といった内容をお話しました。

【薬剤師のための情報リテラシー~ICTを活用した医薬品情報業務と臨床教育への可能性~】

Ict3_2


 三番手は青島先生(講演内容はこちら)。青島先生は「医薬品の専門家として一次情報(原著論文)を批判的に吟味するスキルは必須」としながらも、「どのような方法で、いかに効率よくEBMスタイルで学びを駆動するか、そういったことが重要になる」と話されました。なるほど現実的です。そして、ご自身が関与する活動を中心に紹介されました。

 この話を聞きながら、“読書からの学びのコツ”を思い出しました。学者には二通りあって、① 理論体系をつくるが洞察力がない学者と② 理論体系はつくらないが洞察力がある学者。そして、学びのコツは②の洞察力のある人が書いたものを読むことだ、と(谷沢永一、渡部昇一『人生を楽しむコツ』PHP研究所 P. 111)。

 古典というものは時の風化作用に耐え抜いてきた人類の宝です。それはできるだけ読んだほうがいいと思うんです。でも、いきなりは敷居が高い。だからまずは、その古典が現代においてどのような意味をもたらすのかを記述したようなものを読めばいい。そうすれば、必ず古典に遡ることになるでしょう。

 なにが言いたいかというと、つまり、まずは青島先生のような人がまとめたものを読めばいいのではないか、と。そういうことを続けておけば、必ず一次情報までアクセスするようになるんじゃないかな~と考えています。

【パネルディスカッション】

Ict5

 会場だけではなくSNSを介して、まさに一体となったパネルディスカッションになりました。このパネルディスカッションに分科会の半分の時間を当てていたというのに、あっという間でした。この続きをネットでまたやっていけたらと考えています。

Ict48

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