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2015年9月18日 (金)

「家族に処方された薬を勝手に飲んではいけません」

スンベプラとクラリスロマイシン。
併用禁忌の薬が一つ屋根の下にある状況。
他人に処方された薬を服用することの危険。

CASE 174

男性 50歳 

他科受診:整形外科  併用薬:トラムセット配合錠 4錠 分4

定期処方:
Rp1) クラリスロマイシン錠200mg 2錠  分2 朝・夕食後   7日分

Rp2)カフコデ配合錠       6錠  
    カルボシステイン錠500㎎ 3錠  分3  毎食後  7日分

患者のコメント:
「母親の抗生剤(バナン)を飲んでたけど効かなくてね。マイコプラズマ肺炎って」

疑義照会:
(内容)他科にてトラムセット服用中、アセトアミノフェン過量
(回答)カフコデ配合錠 6錠 → アストミン錠 6錠 へ変更

母親の情報:
ダクルインザ・スンベプラ療法を実施中(12週目/24週)

□CASE 174の薬歴
#1 必ず本人がクラリスロマイシンを飲みきる
  S) 母親の抗生剤(バナン)を飲んでたけど効かなくてね。マイコプラズマ肺炎って
 O) 母親→ダクルインザ・スンベプラ療法を実施中(12週目/24週)
 A) クラリスロマイシンを誤って母親が服用すると危ない
 P) お母さんには併用禁忌の薬。間違ってもお母さんが飲むことのないように。
   この抗生剤は本人が必ず最後まで飲みきってしまうこと。
 
 
□解説
 本人ならびにお母さんともに当局を長く利用されている。ゆえに母親がダクルインザ・スンベプラ療法を実施していることはカルテを出さずとも把握できていた。

 その息子に併用禁忌であるクラリスロマイシンが処方となる。イヤだな~と思いながらもお話しを伺うと、「母親の抗生剤(バナン)を飲んでたけど効かなくてね」との情報が。この状況はやはり危ない。

 マイコプラズマ肺炎とのことなので、ニューキノロンに変えてもらおうかとも一瞬迷いもしたが、母親の薬と併用禁忌であること、必ず本人が飲んでしまうようにと徹底し、投薬している。

 
□考察
 ダクルインザ・スンベプラには併用禁忌が多数ある。本人への対応はしっかり行っているつもりだが、家族の薬というのは盲点だった。でも、残薬も含めて、視野に入れておかないといけない。

<ダクルインザの併用禁忌>

1

<スンベプラの併用禁忌>

2

 「他の人に処方された薬」を飲んではいけない、あげてはいけない。残薬を勝手に服用してはいけない。こういった基本的な服薬指導は、当たり前のことであるがゆえに、おろそかになりがちだ。でも、こういった当たり前のことを、ことあるごとに、繰り返しアナウンスしていくのも薬剤師の役割なのだ、と再認識させられた事例だった。

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