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2015年2月13日 (金)

クレストールを重度腎機能低下患者に用いる場合の上限用量は5mgです

クレストールと腎機能。
疑義照会のライン。
胆汁排泄なのにね・・・

CASE 167

女性 90歳 

他科受診:なし、併用薬:なし

定期処方:
Rp1) バイアスピリン錠100mg 1錠   
    ダイアート錠60mg         1錠 
    レザルタスHD錠      1錠 分1 朝食後   28日分
Rp2)ネキシウムカプセル10mg 1C 
    クレストール錠5mg         2錠 分1 夕食後 28日分

*クレストールが5mg/日→10mg/日(1錠→2錠)に増量になっている

患者のコメント:
「コレステロールが高すぎるのが悪さをしているかもしれないと」

薬歴・患者から得られた情報:
① 血管痛の訴え
② LDL-C:240(FH)
③ S-Cr:1.4、Tall:140、BW:50→Ccr:21mL/min

疑義照会:
(内容)高度腎機能低下者にはクレストールは5mgが上限
    他のストロングスタチンは問題ない
(回答)クレストール錠5mg 2錠→リバロ錠4mg 1錠へ変更

□CASE 167の薬歴
#1 リバロ初回指導
  S) 血管痛(+) コレステロールが高すぎるのが悪さをしているかもしれないと
 O) LDL-C:240
   クレストール5mg→10mg→疑義にて、リバロ4mg
 A) リバロの服用初、念のため、横紋筋融解症の初期症状のアナウンス
 P) コレステロールの薬が変更に、飲み方は今まで通り。
   四肢の脱力感やコーラ色尿(+)→中止・受診
 
 
□解説
 クレストールが10mgに増量になっていた患者。90歳だしな~と思いながら検査値を伺うと、たしかにLDL-Cは高すぎる。ついでにS-Crも確認すると1.4とこれまた高い。Ccrを算出すると21で、高度腎機能障害を呈している。この場合のクレストールの上限用量は5mgだ。

Photo

 患者はもうすでに上限の5mgを服用中のため、疑義照会を行う。とにかくスタチンをMaxで使いたいというDrの意向を踏まえ、他のストロングスタチンにはそのような縛りがないことを伝え、リバロ錠4mgへ変更となっている。

 これで疑義は解消されたため、リバロの初回服薬指導を行った。
 
□考察
 高度腎機能障害の患者にクレストールを投与すると、その血中濃度は3倍に上昇する。

Photo_2

 5mgまでなら3倍になったとしても、通常用量の上限の20mgまでに収まるが、10mgで投薬していたら、ちょっと怖かった。重篤な副作用である横紋筋融解症のこともあるが、他にも不安な点がある。用法・用量には、20mg投与時に腎機能のモニタリングを義務付けているし、IFを見ると、海外用量の40mgでは蛋白尿の発現頻度が上昇し、80mgにもなると血尿が生じている。

 つまり、クレストールは20mg以上相当の高用量になるとそれ単独で腎毒性があるようだ

 それにしても胆汁排泄型のクレストールが高度腎機能障害患者において、用量の調節が必要となる理由はなんなのだろうか? 僕はコラムで書いたように、ただ例外として覚えている(参照:サインバルタはどうして透析患者に禁忌なの?)。

 ここまで書いていて思い当たる。ゼチーアという選択肢もあったな、と。ここぞというときに提案できなければ、その知識は意味がないのに。まだまだだな。

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コメント

そういえば。
スタチンとグレープフルーツの相互作用で、カルグレあたりにデータが出ていますが(ロバスタチンでAUCが1426%↑や、シンバスタチン1514%↑など)いずれにしても、添付文書記載は無いですね。
このあたりは、どのようにお考えになられますか?

投稿: おやジ | 2015年2月13日 (金) 09時48分

おやジさn、こんばんは。コメントありがとうございます。

スタチンとGFJについて。

ロバスタチンは日本では売られていないので何とも言えませんが、
シンバスタチンとアトルバスタチンでは注意をしています。
たしかともに添付文書で併用注意で記載されているかと。

個人的にはシンバスタチンはBAも小さいし、もう禁忌レベルかなと。
アトルバスタチンも量によっては上限を超えるでしょうから、やっぱり併用は避けていただくように指導しています。

投稿: ひのくにノ薬局薬剤師。 | 2015年2月13日 (金) 23時56分

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