« 因果関係、常識、そして五臓六腑の謎 | トップページ | メモや手帳の本質 »

2014年11月14日 (金)

気虚による発熱には補気剤を

「気虚」の発熱に解熱剤は効かない。
気虚には補気剤。
漢方は症状ではなく病因に。

CASE 164

男性 75歳 

他科受診:なし、併用薬:なし

定期処方:
Rp1) アムロジピン錠5mg 1錠 分1 朝食後   28日分
Rp2)メリスロン錠6mg 3錠 分3 毎食後 
    レバミピド錠100mg 3錠 分3 毎食後 28日分
Rp3)オメプラゾール錠10㎎ 1錠 分1 夕食後   28日分

臨時処方:
Rp4)ツムラ補中益気湯エキス顆粒 7.5mg  分3 毎食前 14日分

患者のコメント:
「夕方になると熱が出る。先生は疲れがたまっているんだろうって。
 たしかに疲れてはいるけど。この漢方が解熱剤?」

患者から得られた情報:
① 平熱は低いのに、16時くらいになると毎日37度を超える。
② 食欲はある。ふつうに摂れている
③ さいきん、寝汗(+)

□CASE 164の薬歴
#1 補気剤のアドヒアランスを高める
  S) 夕方になると熱が出る。先生は疲れがたまっているんだろうって。
   たしかに疲れてはいるけど。この漢方が解熱剤?
 O) 平熱は低いのに、16時くらいになると毎日37度を超える。
   食欲はふつうだが、寝汗(+)
 A) Drの見立て通りに気虚だろう。証は適。
   原理を理解して、しっかり飲んでもらう必要がある。
 P) 疲れがたまることによって、寝汗をかくこともあれば、夕方に熱が出ることも。
  こういった発熱には解熱剤はあまり効きません。
  原因の疲れに対しての漢方を1日3回、食後になってもいいので続けてみて。
 
 
□解説
 補中益気湯が出ている時点で、症状はどうであれ、医師は気虚と診断している。それを踏まえて、問診していく。

 夕方になると微熱が毎日続いている。食欲はあるものの、本人の「たしかに疲れはある」とうコメントと寝汗。どうやら気虚で間違いなさそうだ(参考:四君子湯とその派生処方 その1)。証さえあっていれば、漢方の場合、副作用は少ない。納得して飲んでもらうほうに力を注いだほうがいい。

 気虚ならびに気虚の発熱には解熱剤は効果があまり見られないことをお話して服用を促している。
 
□考察
 処方医が漢方に明るいと薬剤師としてはありがたい。

 僕の服薬指導の基本姿勢としては、証があっているならコンプライアンス重視。証が合っていない、もしくは不安なときには副作用アナウンス重視だ。

 そして、得てして副作用アナウンスよりもコンプライアンス重視の服薬指導のほうが難しい。なぜなら、漢方の考え方じたいが、患者にとっても、西洋医学中心の日本では馴染みがないからだ。

 今回の症例では、患者は解熱剤を求めて受診した向きがあった。漢方の解熱剤では、勝手に頓用にしてしまうかもしれないし、説明としても嘘になるし。少し時間はかかるが、漢方は原因からアプローチするんですよ、というお話をするしかないだろう。

にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ

薬剤師ブログタイムズ ブログランキング参加中! クリックしてこの記事に投票

|

« 因果関係、常識、そして五臓六腑の謎 | トップページ | メモや手帳の本質 »

(08) 漢方」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 気虚による発熱には補気剤を:

« 因果関係、常識、そして五臓六腑の謎 | トップページ | メモや手帳の本質 »