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2014年10月31日 (金)

言葉は違いを隠蔽し、言葉は概念を引き連れる。言葉が障壁になっているかもしれないお話。

2014年10月の「薬局にソクラテスがやってきた
登場する薬はロキソニン、セレコックス、バファリン

汎用薬が十分に理解されているかと言えば・・・。


【第18回】


 添付文書解読ネタです。関連の薬歴公開は「CASE 142 NSAIDsの禁忌「重篤な肝障害」とは?」です。


 意外とこの禁忌の設定理由は知られていません。気が付いていない方もいれば、気が付いているけどそういうのって結構あるからとスルーしている方もいれば、いやいや肝臓は予備能が高いからと考えている方もおられるようです。もちろん全部違います。そういう理由はけっこうIFなどにはっきりと書かれていたりします。

 記事の中でkikoさんからコメントを頂いていました。

 同じ「重篤な肝障害に禁忌」であっても、禁忌に設定された理由はそれぞれ違う。だが「重篤な肝障害に禁忌」という言葉で記述してしまうと、その違いが隠れてしまう。その違いを薬剤師は薬理作用などを理解することで正しく認識し、正しく対処しないといけない。

 言葉が違いを隠ぺいするという指摘。まさにその通り。

 言葉こそが「同じ」と「違う」の間で、微妙なつり合いを保つ。そこを「怠けたら」、世界はひたすら同一化する(@養老孟司)

 このフレーズを思い出した。まさに添付文書の表現は、「そこを怠けている」としかいいようがない。これに対する解毒剤は一つ。感覚世界、つまり現場だ。そこには「同じなんてない、違いしかない」からだ。

 あと副作用からの視点で分野を横断するためには「重篤副作用疾患別対応マニュアル」が便利です。

 肝腎な「腎」の話はまたいつか。


【第19回】


 薬理学ネタです。関連の薬歴公開はなく、日経DIクイズ16「QUIZ 16 高用量アスピリンは“抗血小板か”」の設定を変更してみました。

 アスピリンジレンマ。この概念を説明しようと思えば、薬剤師ならなんなくできる。ではリアルワールドで、バファリン錠81mgやバイアスピリン錠100mgを服用している方が、バファリン錠330mgを服用したらどうなるでしょうか? 

 僕が学生の頃に授業で習った内容は役に立ちませんでした。いや、むしろ混乱の原因と言ってもいい。当時は臨床経験のある先生がほとんどいなかったから仕方がないのかも・・・。案外、医師のほうが正しく対応できているかもしれませんね。

 この命題が正しいとすれば、薬剤師がOTCのバファリンを販売する際には「抗血小板薬を販売しているのことになるかもしれない」と想定しておくことが必要になるわけです。

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2014年10月24日 (金)

ふぁるまね No.15 に取り上げていただきました!

「ふぁるまね」届きました。
服薬ケア研究会第4回大会のレポート。
薬局薬学のエディタとしての活動。

Photo

【ふぁるまね No.15】
 いい記念になりました。内容はぼくの薬局薬学のエディタとしての活動と服薬ケア研究会大会の模様です。

 研究会会頭の岡村先生は言います。「薬に関しては医師より詳しくなくてはならない」と。ほんとにそう思います。そのためのヒントが記事に詰まっています。

 教育講演の原崎先生からは考える方向や分類による個別アプローチなど。そして、薬剤師の理念には賛同です。とてもイメージしやすい内容だと思います。

 ぜひ、ご覧下さい。 「ふぁるまね」は帝人のMRさんにお尋ねください。


【大会へのご参加ありがとうございました】
 去る9月14日、15日、ぼくの母校の熊本大学薬学部において開催された服薬ケア研究会第4回大会は盛会のうちに無事終了することができました。この場を借りて、ご参加いただきました皆様に感謝申し上げます。

 また、服薬ケア研究会にも多くの方が入会していただきました。次はワークや研修会でお会いしましょう。

Dsc018162

*アップル軍団の大会打ち上げの様子。みんな大活躍でした。
「みなさま、お世話になりました。またお会いしましょう(^^)/」
 

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2014年10月17日 (金)

日経DIクイズ No.16 発売になりました!

日経DI クイズ16
今回は4本! 実践的なものからトリビア的なものまで。


【日経DIクイズ16】


Quiz 16 高用量アスピリンは“抗血小板薬”か

       アスピリンジレンマ。臨床でどのように考える?

Quiz 26 便潜血陽性で服用を中止する漢方薬

       漢方薬の新しい副作用。その原因となる生薬は? 

Quiz 36 ARBの変更後に尿酸値が上昇した理由

       どのARBに尿酸低下効果があるのか。その機序は?

Quiz 55 デパス錠が飲みづらい場合の代替薬

       製剤学は薬剤師だけが学ぶ専門技術です!
 

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2014年10月10日 (金)

SGLT2とBGの危ない関係

SGLT2阻害薬の副作用。
Recommendationは必読。
BGとの併用で気になる副作用は?

CASE 163

男性 48歳 

他科受診:なし、併用薬:なし

定期処方:
Rp1) バルサルタン錠40mg 1錠 分1 朝食後   
    トラゼンタ錠5mg    1錠 分1 朝食後   14日分
Rp2)メトグルコ錠250mg 6錠 分3 毎食後  14日分

追加処方:
Rp3)デベルザ錠20㎎ 1錠 分1 朝食後   14日分

患者のコメント:
「先生が新しい薬をためしてみようって。体重も落ちるんでしょ?
 薬疹が出たら、すぐ止めて受診するように言われた」

薬歴・患者から得られた情報:
①160cm 80kg 体重は横バイ
②服用状況良(メトグルコのリカバリOK)
③メトグルコによる軟便は改善してきている
④HbA1c:7.5%、腎NP

□CASE 163の薬歴
#1 デベルザ初薬のため副作用中心のアナウンス
  S)先生が新しい薬をためしてみようって。体重も落ちるんでしょ?
  薬疹が出たら、すぐ止めて受診するように言われた
 O)体重減なし(80kg) HbA1c:7.5%  腎NP
   デベルザ追加
 A)初薬のため副作用中心のアナウンスが必要
   残暑+デベルザ→脱水→BGによる乳酸アシドーシス のリスクも
 P)尿に糖を出す薬。体重が数kg落ちるが脱水に注意が必要。
  脱水になると、他の糖の薬も悪さをしやすくなる。
  こまめに補水を。500mLくらいを+αとして意識してとること。
  その他、薬疹のほかに尿路感染症にも注意が必要。
    Sick Dayではメトグルコだけではなく、今回のデベルザも休薬を。
 
 
□解説
 トラゼンタとメトグルコの2剤で体重の増加こそないもののコントロール不良の患者。HbA1cを下げるためにSU剤やグリニド系を加えれば、体重増となりやすいことを考慮して、新薬のSGLT2阻害薬を試すことに。

 期待されて登場したSGLT2阻害薬だったが、ふたを開けると薬疹が多く、医師もそこは気をつけているようだ。しかし、副作用の頻度としては、やはり薬理作用に関するものが多くなる。

Sglt2

  (ルセフィの製品リーフレットより。これが一番わかりやすい)

 この症例の組み合わせなら、低血糖はあまり怖くはない。むしろ、低血糖以外の副作用をアナウンスすべきだろう。

 さらにデベルザで脱水になると、今度はメトグルコの乳酸アシドーシスも心配になる。まだまだ残暑も厳しい。そこで、具体的な補水のアナウンスを中心に行っている。
 
□考察
 この副作用(SGLT2阻害薬→脱水→BGによる乳酸アシドーシス)のリスクは「SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation」にも記載がある。

 また、日経DI 9月号のDIクイズにも同様の症例と詳しい説明があるので参考になる。

 その中でも指摘があるが、メトグルコは利尿薬併用時にも同様の注意を払う必要がある。この点は今まで対応できてなかった。

 BG + 夏(環境)+利尿薬 or/and SGLT2→乳酸アシドーシスのリスク↑

 公式化して覚えておく。

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2014年10月11日追記 【糖尿病新薬、使用の患者2人死亡…利尿薬を併用

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2014年10月 3日 (金)

「何を解決するために、日々働いているんですか?」

「働く理由」を考えたことがありますか?
「お金のために働く」「スキルを伸ばすために働く」のその先へ。

【「What」と「Why」が接続しているか?】


・・・。彼らの目から見ると、世の中は解決しなきゃいけない問題に溢れているのです。
 一方で僕はというと、「金のために働きたくない」「自由になりたい」「ブログを運営したい」「NPO支援がしたい」、そういうエゴイスティックな思いが先行しており、「自分はこの世の中のどんな問題を解決しようとしているのか」という視点が欠如していました。
 「What(なに)」が先行してしまい、「Why(なぜ)」を見失ってしまっているという典型的なダメなパターンです。手段が目的化してしまってるといってもよいでしょう。これでは自分の仕事に対する、腹の底からの納得感は得られないはずです。
 (中略)
取り上げるネタは変わりましたが、10年以上前に抱いていた「なんでこんな面白いものを、みんな知らないんだろう」という問題意識は、当時と変わらず持ち続けています。
 どうやら僕は、「世の中に価値がある情報が埋もれていること」が許せない人間のようです。だからこそ、そういう情報を発掘できる「ブログ運営」という仕事に、意義を感じているのでしょう。
 ここでようやく、「ブログ運営」という「What」と、「価値ある情報が世の中に埋もれている」という「Why」が接続しました。
 
(イケダハヤト『年収150万円で僕らは自由に生きていく』星海社新書 P. 110-112)
 
 「Why」と「What」。最近よく耳にする。サイモン・シネックの「ゴールデンサイクル」よろしく、やはり「What」は表層にあるのだろう。そこからでは人には届かないだけはなく、自分を動かすこともできない。

 また、後付けの、取り繕った「Why」でもダメなのだろう。ベクトルの向きは「Why」から「What」であるべきなのだ。そして多くの場合、それが、「Why」が言語化できていないということが問題なのだと思う。
 
 
【何のために働いているのか?】

 僕は、「価値ある情報が世の中に埋もれている」という問題を解決するために、仕事をしているのです。
 
(イケダハヤト『年収150万円で僕らは自由に生きていく』星海社新書 P. 113)

 僕は「○○○」という問題を解決するために、仕事をしている。こう言い切れるとき、言語化できたとき、人はその仕事にやりがいを、納得感を、天職を見出すのだろう。

 僕の目指す「薬局薬学のエディタ」もやはり問題意識が根底にあった。でもそれは最初からあったわけではなかった。


【専門的なスキルから問題意識が見つかる】

 キャリア開発のワークショップなどを実施した経験からいえば、問題意識を見つけるアプローチの概ね8割は、「スキル」にもとづくものだと感じます。
 そのため、特別なスキルを持っていない学生の場合は、「問題意識が見つからない」「何を解決したいのかが分からない」からといって焦る必要はありません。会計なり、マーケティングなり、プログラミングなり、何か専門的なスキルを持ったとき、世の中には課題が溢れていることに気付くことができるようになります。スキルというものは、世の中の課題を発見するためのレンズのようなものです
 
(イケダハヤト『年収150万円で僕らは自由に生きていく』星海社新書 P. 120)

 裏返せば、世の中の課題を、問題意識を発見できるようになったのなら、それ相応のスキルが身についてきたともいえる。そしてそこから、ほんとうの仕事が始まる。
 

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