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2014年9月26日 (金)

9月はコラム2本と初コラボ!

2014年9月の「薬局にソクラテスがやってきた
ソクラテス2本とコラボネタ
今回はBlogへのリンクがぜんぜんないな・・・。


【第16回】


 初の製剤学ネタです。関連の薬歴公開はなく、書き下ろしです。

 カプセルのような錠剤で、その徐放システムはOROSと言われています。日本ではコンサータとインヴェガのみのこの製剤、じつはさいきん知りました。6年制の薬剤師はなんと授業で習うらしい。これはうかうかしていられませんよ。ということで、ぜひ記事で勉強してください。

【第17回】


 病態ネタです。関連の薬歴公開はなく、書き下ろしです。

 非腎排泄型のサインバルタがなぜ禁忌なのか? 回答ではなく、僕なりの正しいアプローチを探しました。

 「全ての一般的な命題には例外がつきもの」。だから、「理解しうるべきものを理解し、理解しうべからざる事実に対しては、ただ敬虔の念をもって対する」のです。

【コラボ企画】


 初コラボです! 熊谷さんのコーナーには写真などではちょくちょくお邪魔していましたが、企画としては初のコラボでした。

 内容は服薬ケア研究会第4回大会 in 熊本 での話題を対談形式で紹介しています(ちなみに第3回大会の模様はこちら)。

 POSとは? SOAPとは? これらの技術を身につけるだけで、その人の能力は向上します。だって技術の本質ってそういうものですから。そして服薬ケア研究会は、そういう技術を身につけ、「本物の薬剤師!」を目指す仲間の集まりなのです。

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2014年9月19日 (金)

「神経の痛み止め」の服用状況とその理解

神経の痛み止め。
リリカの服用状況は?
抗てんかん薬の特徴。

CASE 162

女性 75歳 

他科受診:なし、併用薬:なし

定期処方:
Rp1) リリカカプセル25mg 2錠 分2 朝・夕食後   28日分
Rp2)エディロールカプセル0.75μg  1C 分1 朝食後   28日分
Rp3)ベネット錠35mg17.5mg 1錠 分1 起床時  4日分
Rp4)ロキソニンテープ50㎎ 28枚

患者のコメント:
「この神経の痛み止めもあまり効かないのよね~。だから余っているの」

患者から得られた情報:
① 背中から腰の慢性疼痛にリリカを服用。三ヶ月経過。
② リリカ服用にて眠気や浮遊感などなし
③ 痛いときに服用している

□CASE 162の薬歴
#1 リリカを理解して継続してもらう
  S) この痛み止めもあまり効かないのよね~。だから余っている。
 O) 眠気や浮遊感などなし。痛いときのみ服用
 A) 用法、薬への理解に問題あり
 P) この神経の痛み止めは痛みをブロックするのでなく、
   神経の興奮を静めて徐々に効いてくる。痛いときだけではダメ。
   指示通り続けて。その後、薬の量を増やしていくこともある。
 R) ふつうの痛み止めと同じかと思ってたわ。
 
□解説
 ロキソニンやセレコックスではいまいち効果がない慢性の痛みに対して、三ヶ月前からリリカをスタート。リリカは服用初期に眠気や浮遊感が出やすい薬。医師も低用量からスタートして、効果はまだ不十分だが、そのまま増量には踏み切っていない状態だった。ちなみに腎機能低下はない。

 「この神経の痛み止めもあまり効かないのよね~」、そして「『だから』余っている」と。

 この「だから」が理解できなかったので理由を伺うと、「痛み止め」だからだと言う。

 これは明らかにリリカの薬識に問題がある。とくに副作用で服用を控えているわけでもない。痛いときのみに服用しているから残っていることを確認し、リリカの薬識ケアを図っている。
 
□考察
 患者が炎症からくる痛み止め(NSAIDs)と同じような使い方をしてしまった理由を考えてみる。

 一つはやはり「神経の痛み止め」という表現だろう。「神経伝達を正常に戻していく薬」などのように、少し時間がかかるといったニュアンスを含むような表現を考えないといけない。

 もう一つは薬剤師が副作用のアナウンスとモニタリングに傾注してしまうことだろう。どうしてもリリカなどの抗てんかん薬は副作用が先行しやすい。だからそこに目が行きやすい。

 だが、やはりそれではバランスが悪い。服用状況を確認して、効果と副作用のモニタリングをバランスよく行い、患者が継続できるように適切なアドバイスを送る必要がある。「初期は副作用に注意し、効果は徐々に現れてくる。それでも改善がなければ、あなたにあった用量まで」といったような見通しをアナウンスすることで理解を促すようにしなければならないだろう。

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2014年9月12日 (金)

服薬ケア研究会大会の一般演題がユニークすぎる!?

いよいよ今週末! 一般演題がユニークすぎる!?

 
当日参加もお待ちしております(*^-^*)

服薬ケア研究会第4回大会開催のお知らせ。

本年度は第4回目の大会となります。今年は大会長として、熊本のアップル薬局、山本雄一郎先生の元、世話人として熊本大学医学部付属病院薬剤部の城野博史准教授のご尽力をいただき、熊本大学薬学部にて開催されることとなりました。また、今年は初めての2日間開催をいたします。年に1度の服薬ケアの大会です。どうぞ全国よりご参集ください。

日時:平成26年9月14日(日)・15日(祝)
場所:熊本大学薬学部
〒862-0973  熊本市中央区大江本町5番1号 TEL 096-371-4635
アクセス:市電、バスにて「味噌天神」下車、徒歩5分
メインテーマ:「薬剤師の医療のために ~Skill is Blindness~」
         Skill is Blindness 恋は盲目ならぬ技術こそが盲目。
         見えていないもの、そして見ようとすらしていないもの。
         本大会であなたの医療者としての技術の概念が変わります。

案内チラシはこちらからダウンロードしてください。
地図

プログラム:
9/14(日)
12:00~12:10 開会の挨拶、他
12:10~13:40 大会長講演:「薬剤師の医療における服薬ケアの位置付け」 
    大会長 アップル薬局 山本 雄一郎
13:50~16:00 「本物の薬剤師!」養成講座
  (内訳)
   13:50~14:30 本物の薬剤師になるために何をどう学べばよいのか
           服薬ケア研究所 所長 岡村 祐聡
   14:30~16:00 薬物動態の捉え方~モデルと実態を区別しよう~
           服薬ケア研究所客員教授 平山 広喜
9/15(祝)
10:00~11:30 教育講演:「多視点で考える本物の薬剤師のチカラ」
    アクア薬局花棚店 原崎 大作
11:30~12:40   (お昼休憩)
12:40~14:30 一般演題
演題01:Facebook(FB)のグループ機能を活用したSOAP遊び
     アップル調剤薬局大津店 ○野﨑清輝 後藤徹 山本雄一郎 (熊本県)
演題02:服薬ケアで学んだことを活かす~ざっくりとらえる薬物動態学~
     清水本町調剤薬局 ○曽我公孝 (熊本県)
演題03:もうすぐ60歳~ある服薬ケア実践者の近況報告~
     みずき薬局 ○道中惠巳 (千葉県) 
演題04:薬剤師業だけでなく、DJ業にも生きる服薬ケアの教え
     (有)アップル薬局 清水店 ○橋口直隆 (熊本県)
演題05:服薬ケアを実践していると思い込んでいた自分の反省とこれからの展望
     平田薬局 ○佐々木孝式 (栃木県)
演題06:自分で調べ、自分で学ぶ力をつける~平山ゼミでの経験から学んだこと~
     クオラリハビリテーション病院 薬剤課 ○元池直子 (鹿児島県) 
演題07:ピオグリタゾンと膀胱がんとの関連について
      ~岡村ゼミにおける添付文書解析より得られた知見から~
     マリーングループ ふうり調剤薬局 ○八田 剛宏 (京都府)
14:45~15:50 会頭講演:「本物の薬剤師への道~医療者の心と人格の形成~」
     服薬ケア研究所 所長 岡村 祐聡
15:50~16:00 閉会の挨拶、入会のご案内など

※敬称略
※進行状況により、時間は多少前後することがあります。
〔事前登録〕
    事前登録は締め切りました。
〔当日登録〕
    服薬ケア研究会会員:9,000円 非会員10,000円 学生3,000円
 ★1日だけの参加でも登録料は変わりません。
 ★直接会場へお越しください。

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2014年9月 5日 (金)

なぜひとは、なぜこの私は勉強しなければならないのか?

「なぜ勉強しなければならないのか」
「ありのまま」ではない「自分らしさ」


【教えようとする者のその人の人間的なありよう】

 つまり、ひとの教育力なるものは、教育しようとする者から、教育される者へと発せられる言葉(意味)ではない。こう教育しようとする意図(意識)が教育するのではない。相手にこうなってほしいと頭(意識)で考えていたとしても、無意識や深層では矛盾することを考えていることもある。そういうもの(内容)も相手に伝わってしまう。教えようとする者は、プラスもマイナスも含めたその人間的なありようの全体で教えてしまうものであり、子ども(生徒)たちに見透かされることは必然である。
 
(諏訪哲二『なぜ勉強させるのか?』光文社新書 P. 192-193)
 
 つまりどんなに立派なことを言おうとも、後進が育たないのは、教えようとする者の人間的なありようの全体に問題があるわけだ。そして「学ぶというのは単独行ではない」。後進が想像できる理想像であるならば、今わかることしか学べない。教えようとする者にはそういった覚悟がいるわけだ。

 また、服薬指導・服薬支援の場においてもことは同じ。立て板に水的な、いわゆる定型文的なものを繰り返すだけでは、見透かされることは必然だろう。
 
 
【ひとの問題がやっかいなのは二重の構造のため】

 したがって、学校であれ家庭であれ、「なぜ勉強しなければならないのか」という問いが出てきたら、まともに真正面から答えるのではなく、できるだけ焦点をぼやけさせて曖昧にしてしまうのが適切であろう。これは逃げやごまかしではない。この問いに誰も正面から答えられないからである。(中略)
 
子どもの疑問であれ、おとなの疑問であれ、私たちの抱く疑問は自分個人のことでも必ず人間一般が絡んでくるし、人間一般のことでも、必ず「私」個人のことが絡んでくる。「なぜ勉強しなければならないのか」も「なぜひとは勉強しなければならないのか」と、「なぜこの私は勉強しなければならないのか」の二重に構成されている。ひとの問題が厄介でむずかしいのは、この点である。
 
(諏訪哲二『なぜ勉強させるのか?』光文社新書 P. 224-225)

 この構造は一昔前に話題となった「なぜ人を殺してはいけないのか」と同じといえる。この人間一般と私の二重構造はいたるところにある。重病を抱えた患者も、ひとはいつか死ぬし、いつ死ぬかわからないと了解しつつも、やはりなぜこの私が死におびえないといけないのかとなるだろう。

 構造がわかったところで答えなどありはしない。一般解など存在しない。そういった問題は個々人の変容によって乗り越えるしかないように思える。

【勉強することには覚悟がいる】

「私」が居て知識を身につけていくのではなく、知識を身につけて「私」自体が変容していくのが勉強なのです。

(諏訪哲二『なぜ勉強させるのか?』光文社新書 P. 249)

 だから、勉強するということは「ありのまま」の自分が己のままで成長、発展していくことではありません。「ありのまま」の自分を一度否定して(「ありのまま」の自分は、一度ぐらい否定しても無くなるようなやわな代物ではありません)、社会的に期待されている「あるべき」自分(近代的個人)に変身しようとする冒険なのです。
 
(諏訪哲二『なぜ勉強させるのか?』光文社新書 P. 252)

 「ありのまま」が流行っているようだが、この言葉にはずっと違和感を感じていた。

 いまのぼくにはまだまだ勉強が必要。であるならば「ありのまま」ではダメなのだ。ありのままを成長させるのではなく、社会的に期待されている「あるべき」自分を目指さなくては。
 
 そういえば内田樹もこう言っている。

 「自分らしく生きる」というのは、自分の中からこみあげてくるピュアな欲望や衝動に身を委ねるということではなく、人々が期待している役割を粛々と演じ切る覚悟性のうちにある。

 (内田樹『うほほいシネクラブ』文春新書 P. 52)

 「ありのまま」ではなく「自分らしく」生きたいものだ。
 

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