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2014年8月29日 (金)

もうすぐ! 服薬ケア研究会第4回大会 in 熊本(9月14日・15日)

いよいよあと二週間に迫ってきました。9月14日・15日熊本でお会いしましょう!

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大会長あいさつ

 

服薬ケア研究会第4回大会

大会長 山本 雄一郎

 

 

 服薬ケア研究会第4回大会を九州初の熊本で迎えることになりました。世話人の労をお取りいただいた熊本大学の城野博史先生、そして関係者ならびに会員の皆様のご理解ならびにご尽力に厚く御礼を申し上げます。

 九州にて服薬ケア大会を実施するにあたり、教育講演を誰にお願いするか? 私は迷わず、鹿児島の原崎大作先生に白羽の矢を立て、快諾を頂きました。今大会のテーマも原崎先生といっしょに考えたものです。

 

 「薬剤師の医療のために ~Skill is Blindness~」

 Skill is Blindness 恋は盲目ならぬ技術こそが盲目。

 見えていないもの、そして見ようとすらしていないもの。

 本大会であなたの技術の概念が変わります。

 

たとえば、「愛」です。愛と技術に関係があるのか? 愛されることにはありませんが愛することにはあります。これはもうすでに、エーリッヒ・フロム著『愛するということ』のなかで明言されています。この本の原題は『The Art of Loving』で、つまり「人を愛するには技術が必要である」と述べられているのです。愛するということは、誰にでもできることではなくて技術を要します。ここでわれわれはハッとするんですね。だって技術が必要だなんて、これっぽっちも思っていないのですから。

でもそれに気が付くだけでも大きな前進です。なぜなら、「技術の習得に最高の関心を抱くこと」は技術を身につけるための必要条件の一つですから。

医療も愛です。そして服薬ケア実践の源は「与える愛の念い」にあります。それは見返りを求めない与えきりの念いで、やはりここにも技術があるのです。

 

今大会を通して、服薬ケアを実践する仲間達の発表に触れることによって、私たちの成長のきっかけになることを期待しています。


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2014年8月22日 (金)

β二連発と概念の応用

2014年8月の「薬局にソクラテスがやってきた
β-Blocker二連発
他の領域でも使用可能な概念の二連発でもある。

【第14回】


 動態ネタです。関連の薬歴公開はなく、書き下ろしです。

 アーチストが心不全の適応を獲得したとき、どうして用法が変わったのだろう? とパラメータを眺めてみると、その疑問が、どうして1日1回でいいんだろうに変わったのを覚えています。つまり、そもそものアーチストのキャラクタが掴めていなかったんですね。 

 脂溶性の高い薬というのは、分布容積が大きいわけで、つまり血液以外の場所にも分布しているわけです。そしてそれならでは薬物動態を示すと考えるとわかりやすい。記事ではCa拮抗剤の説明で有名なメンブランアプローチを紹介しましたが、この考え方は他でも応用可能なわけです。

【第15回】


 病態ネタです。関連の薬歴公開は「CASE 160 喘息患者の本態性振戦」です。

 答えから言うと、ありません。ではどうすればいいか。他のアプローチを取る、ということになります。病態理解がまず大事なわけです。

 記事の中でISAにも触れています。これはパーシャルアゴニストと考えるとわかりやすい。完全にはイコールではないかもしれませんが、理解としては問題はありません。つまりここでも、ある考え方が使用可能なわけです。こうやってつながっていくと面白いですよね。

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2014年8月15日 (金)

日経DIクイズ8月号 ARBの違い第2弾!

日経DI 8月号
コラムに続く、ARBの違い第2弾!


【日経DI 2014年8月】

日経DIクイズ1 「ARBの変更後に尿酸値が上昇した理由」

 サブタイトルを付けるなら、ARBの違い その2です(その1はDI onlineでのコラム「オルメテックがアルドステロン・ブレイクスルーを起こしにくいのはなぜ?」です)。

 とかくクラスエフェクトが謳われ、その強さ、降圧効果だけに焦点が当てられがちなこの薬効群。今回は付加価値的な作用についてです。どのARBに尿酸低下効果があるのか。その機序は? ぜひ記事をご覧になってください。

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 記事では触れませんでしたが、じつはvitroのデータではミカルディスにもURAT1阻害作用が確認されています。しかし臨床ではその効果が確認されないのは、記事で考察として挿入した臓器への移行性が原因なのでしょう。

 ともあれ、ニューロタンの尿酸低下作用はバカにできません。尿酸値の高い方は高血圧を合併していることが多い。ARBの選択を提案することで、薬を一つ減らすことができるかもしれません。また、こういった意味合いからもサイアザイド系利尿薬と併用する場合には適したARBということができると思います。
 

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2014年8月 8日 (金)

クリアミンをマークせよ!

CYP3A4阻害剤が関与する併用禁忌。
ランサップには要注意。
もっとも警戒すべきは「羊の皮をかぶった狼」だ。

CASE 161

男性 45歳 

他科受診:なし、併用薬:なし

定期処方:
Rp1) バルサルタン錠80mg 1錠 分1 朝食後   28日分
Rp2)クレストール錠2.5㎎  1錠 分1 夕食後   28日分
Rp3)アムロジピン錠5mg  1錠 分1 夕食後  28日分

臨時処方:
RP4)ランサップ400     1シート 分2 朝・夕食後 7日分

*残薬:クリアミン配合錠A、ロキソニン(60)

患者のコメント:
「ずっと胃がへんだった。ピロリ菌がいるって」

患者から得られた情報:
クリアミンAもロキソニンも最近は使っていないが10錠くらいずつある

□CASE 161の薬歴
#1 ランサップ-クリアミンAの相互作用回避
  S) ずっと胃がへんだった。ピロリ菌がいるって
 O) ランサップ処方
   クリアミンA・ロキソニン残薬あり(各10錠ずつくらい)
 A) クラリスロマイシン-クリアミンA→麦角中毒
 P) 除菌の薬を服用中と服用終了後3~4日は
   クリアミンAを飲まないように。ロキソニンはOK。
 
□解説
 クラリスロマイシンはCYP3A4阻害剤として有名だが、ランサップの隠れ蓑にくるまれているときは見落とさないようにしなければならない。

 患者は片頭痛発作時にクリアミンAを頓用している。クラリスロマイシンとは併用禁忌で、CYP3A4阻害作用によってエルゴタミンの血中濃度が上昇し、重篤な麦角中毒(四肢虚血)を引き起こしてしまう。

 さらにクラリスロマイシンのCYP3A4阻害による相互作用は、阻害効果が強く、投与中止後も持続する可能性があることを考慮し、その期間を考慮した相互作用回避の服薬指導を行っている。
 
□考察
 クリアミンとクラリスロマイシンの併用禁忌は、原因こそクラリスロマイシンのCYP3A4阻害ではあるが、もたらされる副作用はクリアミンAの過量服用状態からの麦角中毒である。ほんとうにマークすべきは、阻害剤ではなく、相手によって変身してしまう「羊の皮をかぶった狼」のようなクリアミンAだと考えている。

エルゴタミン製剤(クリアミン)が関与する併用禁忌

 (14・16員環)マクロライド系⇔エルゴタミン製剤⇔アゾール系抗真菌薬

 エルゴタミン製剤⇔トリプタン系⇔他のトリプタン系(24時間以上)

 今回の症例でのポイントはクリアミンを頓用で使用していることを把握できているかどうかにある。いくらクラリスロマイシンがCYP3A4阻害剤で併用禁忌の薬がたくさんあると知っていたとしても、把握できていなければ意味がない。

 クリアミンは薬の性格上、ごくたまに処方され、患者が管理することになる。お薬手帳でも流れていってしまって、すぐには把握できないかもしれない。そこで当局では、薬情での注意喚起はもちろんのこと、フェイスシートにて一目で把握できるように管理している。

 クリアミンはマークすべき、「羊の皮をかぶった狼」のような薬なのだ。

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2014年8月 1日 (金)

「自由」の場所はどこにある?

「足場のないところに足場を仮構するあやうさ」
あえて留まるという責任の果たし方。


【移動しながらそこにいる】

 知りたければみずからの足で確かめればいいのだが、どの河のどの河岸と特定しなければ、流れの先の風景など結局は想像の埒外に置かれてしまうのではないか。いま彼は、その埒の外の置かれた河岸にいる。そう、ただ河岸にいる、とだけ言っておこう。水が水自身を持ち運ぶように、彼は彼自身の河岸を自由に移動させるのだ、現実のなかだけでなく、地上からは見えない暗渠のなかにおいても。
 *
 ところが、幸か不幸か、彼の河岸はいまかりそめの停泊を余儀なくされて、どこも動こうとしない。
 (中略)
 とはいえ、彼は移動している。移動しようとしている-繋留された船に乗って。でも、いったい、どこへ?
 
(堀江敏幸『河岸忘日抄』新潮文庫 P. 5-14)
 
 繋留された船。それは待機する主人公の象徴だ。ただの待機ではない、積極的な待機によって「移動しながらそこにいる」ことを成そうとする。

 「人間の生活においても、ある種の潮流がある。満ち潮に乗れば、幸運に導かれる。無視をすれば、人生の旅は苦しみの浅瀬に漂うだけとなる。私たちはいま、そういう海に浮かんでいる。だから、その潮流に乗らなければならない。さもなければ、賭けているものをすべて失くすことになるのだ」とシェイクスピアは言った。

 そうかもしれない。だが、ぼくは、「足場のないところに足場を構築するあやうさを、むしろ大切にしておきたい」という主人公に同意する。そこにこそ、ぼくの求める自由はある。
 
 
【矛盾を実現するために】

・・・、一生のあいだおなじところに留まるなんて、どだい無理な相談なのである。しかし与えられた枠のなかでものごとにたいする焦点距離が安定するなら、彼はあたらしいレンズを手に入れる代わりに、焦点が合うところまで視野ぜんたいを移してやるだろう。それが彼にとって、傲慢さやひとりよがりを抑制しながらなお自分を失わない唯一の方法であり、動かずに移動することを可能にするたったひとつの方途だった。
(中略)
・・・、受け身と攻めの区別がつかないようなありかたでなければ、移動しながらそこにいる、という矛盾を実現することはできないのである。
 
(堀江敏幸『河岸忘日抄』新潮文庫 P. 65-66)

 「動かずに移動すること」それは矛盾でもある。一見なにもしていないように見えるかもしれない。踏み出さないように見えるかもしれない。だから今の社会では評価すらされないだろう。だが、踏み出せないわけではない。受け身でなければ逃避でもない。受け身と攻めの区別がつかない、積極的な待機に意味を見出したいのだ。

 そして焦点距離。さらには視力。明瞭に見えるだけではない。いや、明瞭にしか見えないようではまずい。ほんとうの視力とは、「ぼんやりと形にならないものを、不明瞭なまま見つづける力」のことなのだ。

【真実とは、関係であり、距離の取り方だ】

・・・、動かずにいるための正当な権利を手に入れるためには、そこに大文字の真実がなければならない、ということになる。しかも真実とは、本人がそこにあると信じているかぎりにおいて有効なのであり、信じる力が弱まって影が薄れた瞬間、嘘に転じてしまう酷薄なものだ。

(堀江敏幸『河岸忘日抄』新潮文庫 P. 91)

誰が見ても正しいことを、ひとは真実と呼ぶ。誰が見ても明らかならば、なんの説明も、なんの解説もいらないはずだ。程度の差こそあれ、真実はあちらこちらに転がっている。だから、真実とはなにかを、正しいこととはなにかについて論じることにも、ほとんど意味はない。真実とは、真実と見なされているものとの関係であり、距離の取り方であって、それ以外ではないのだ。
 
(堀江敏幸『河岸忘日抄』新潮文庫 P. 200)

 何かを成すためには、その過程の正当な権利を得るためには、大文字の真実が必要だ。だからぼくらは、ぼくらの真実を大事にしていかなければならない。

 そして、その真実が正しいかどうかを論じる必要はない。後ろめたさや焦りを感じることもない、と仲間には告げたい。しかし、それとの関係と距離の取り方だけは意識しておく必要はあるのだろう。なぜなら、それこそが真実なのだから。
 

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