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2013年3月 8日 (金)

当帰芍薬散を服用中の患者がインフルエンザになったら

当帰芍薬散は冷え症によく用いられる漢方薬
冷え症の漢方は熱証には用いない
「発熱時は休薬するように」とアナウンスを

CASE 136

75歳 女性

定期処方:
Rp 1) ロサルタンK錠25mg 1錠 / 1x朝食後 28日分
Rp 2) ツムラ当帰芍薬散エキス顆粒 5g / 2x朝・夕食前 28日分
Rp 3) ユベラNソフトカプセル200mg 3錠 / 3x毎食後 28日分
Rp 4) ロキソニンテープ50mg 28枚

臨時処方:
Rp 5) タミフルカプセル75mg 2C / 2x朝・夕食後 5日分
Rp 6) カロナール錠300mg 1錠 / 1x発熱時 10回分

患者から得られた情報:
「インフルエンザだった。孫からもらったみたい。38.4度もあった」

薬歴から得られた情報:
① タミフルの服用歴は2回あり、副作用なし、腎機能NP
② 血圧と冷え症(足の冷え)の治療中
③ 服薬状況は良好

□CASE 136の薬歴
#1 発熱時はツムラNo.23を休薬する
  S) インフルエンザ(+) 38.4℃
 O) ツムラNo.23服用中
 A) ツムラNo.23で熱が下がりにくくなる
 P) 熱があるあいだは漢方薬を休薬しておきましょう。
  他の定期薬は今日の薬といっしょに発熱時もOK。
 
□解説
 当帰芍薬散は加味逍遥散、桂枝茯苓丸とならんで有名な血の道の漢方で、四物湯から派生している。色白で四肢が冷える、むくみやすいといった方に適している。CASE 137の患者も冷え症にて服用していた。

 今回のケースは、要するに、「ツムラNo.23(当帰芍薬散)は冷え症の漢方なので『熱証』には不適である」ただそれだけの話だったりする。

 だが、当帰芍薬散をたんに血の道の薬と認識していると、「カゼやインフルエンザでの発熱時には休薬を」というアナウンスを忘れてしまいがちだ。

 汎用されている方剤だけに、インフルエンザのシーズンには一言アナウンスしておきたい。

□考察
 冷え症の漢方といえば、他に当帰四逆加呉茱萸生姜湯や人参湯、附子理中湯などがあるが、やはりこれらもカゼやインフルエンザなどの発熱時には休薬が必要だ。

 また、他に同じような指導が必要な方剤に補気剤(CASE 79参照)がある。

 四君子湯や六君子湯、補中益気湯といった補気剤は、気虚による発熱(疲れたら熱が出る、夕方になると熱がでる)などには適するが、カゼやインフルエンザなどの外因による発熱時には、やはり休薬が必要となる。

 ここにあげた漢方は自分には合っているからと、しっかりと服薬を続けているような方が多い。アナウンスがなければ発熱時も飲み続けることになりかねない。

 せっかく「いつもの薬と飲み合わせは大丈夫ですか?」と問い合わせてくれても、「飲み合わせは問題ありません」ではもったいない。

 カゼやインフルエンザでは証が変わる。とくに寒熱の違いは意識しておきたい。

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(08) 漢方」カテゴリの記事

コメント

丁寧なHPですね。
風邪などで附子理中湯の休薬が必要と記載されていますが。
ここのところいかがでしょう。
初期の合病などではファーストチョイスになることもあります
一概には言えないのではと思っております。

                  漢方じじい より

投稿: 疎意 | 2013年6月26日 (水) 10時59分

漢方じじい様

コメントありがとうございます(*^^*)

そうなんですね! ご指摘ありがとうございます。
漢方はまだまだ勉強中で、奥が深い。

漢方を選ぶこと以外で、できることを模索しています。
これからもご指導ください。

投稿: ひのくにノ薬局薬剤師。 | 2013年6月26日 (水) 11時25分

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