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2012年11月30日 (金)

【般】セフジトレン ピボキシル錠に関するヒヤリ・ハット報告

静かに広がりつつある一般名処方
ヒヤリ・ハットの原因はうっかり? 一般名を知らないだけ?
構造式がその特性を物語る

【般】セフジトレン ピボキシル錠100mg 3錠 / 分3 毎食後

 近くの皮膚科から飛び込んでくる一般名処方の処方箋。言うまでもなく、「セフジトレン ピボキシル」の商品名はメイアクトMS。「セフ」からはじまる為か、セフゾンをピッキングする薬剤師が続出した。


 では次の一般名処方は?

【般】セフテラム ピボキシル錠100mg 3錠 / 分3 毎食後

【般】セフカペン ピボキシル錠100mg 3錠 / 分3 毎食後

 これらも「セフ」からはじまるが、とうぜんセフゾンではない。前者はトミロン、後者はフロモックスだ。


 セフゾンの一般名は「セフジニル」。活性体であるセフゾンの一般名はシンプルだ。


 ところで、メイアクトMSやトミロン、フロモックスにも一般名には「ピボキシル」とある。本体の消化管吸収を高めるためにピボキシル基が導入されている(活性体とピバリン酸がエステル結合でつながっている)。


 このピボキシル基に関連する副作用情報が、2012年4月にPMDAからアナウンスされた。

 「医薬品適正使用のお願い『ピポキシル基を有する抗菌薬投与による小児等の重篤な低カルニチン血症と低血糖について』」

 

Photo_2

 

 ピボキシル基のエステル結合がはずれてピバリン酸ができる。このピバリン酸を排泄するためにはカルニチンが必要となる。大人では問題ないが、小児(特に乳幼児)においては、もともとのカルニチンが少ないために、重篤な副作用である低血糖を惹起してしまう可能性がある、というわけだ。

 ピボキシル基を有する抗菌薬には、先のメイアクトMSやトミロン、フロモックスといっだ第三世代セフェムやオラペネムと繁用商品が多い。この商品の中で切り替え投薬を続けることは、ピボキシル基を継続投与していることになる。小児(特に乳幼児)に対しては意識しておきたい。

 なお、ピボキシル基を持たないバナンや活性体のセフゾンではそのような心配はない。


 と、ここまで理解できていれば、一般名処方で「セフジトレン ピボキシル」がきても、セフゾンをピッキングすることはないはず。だってピボキシルだもん。

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