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2012年6月22日 (金)

腎機能に応じて用量調節が必要な抗アレルギー薬

腎機能に応じて用量調節が必要な抗アレルギー薬
ザイザル、ということはジルテックも
ちなみにCLcr<10は禁忌

CASE 120

78歳 女性  

他科受診:皮膚科  併用薬 :ザイザル錠5mg 1T/1xvds、マイザー軟膏

定期処方:
Rp1) ランソプラゾールOD錠15mg 1T・ニューロタン錠50mg 1T / 1x朝食後 28日分
  2) レバミピド錠100mg 3T・ガスモチン錠 3T / 3x毎食後 28日分
  3) アローゼン 1g / 1xvds 28日分

患者のコメント: 「ザイザルを飲んだら3日くらい眠い。あんまり飲んでいなくて、まだ余っているけど、今日もまたもらったの。飲んだほうがいい?」

患者から得られた情報:
① 掻痒症にて皮膚科を受診。
② お薬手帳より、ザイザル(5)とマイザー軟膏の7日分の処方が2回。
③ 皮膚科Drには相談をしていない。

薬歴から得られた情報: 2ヵ月前の eGFR:30

□CASE 120の薬歴
#1 ザイザルが過量なので他剤に変えてもらうように皮膚科Drに依頼する
  S)ザイザルを飲んだら3日くらい眠い。あんまり飲んでいなくて、まだ余っているけど、今日もまたもらったの。飲んだほうがいい?
 O) 併用薬:ザイザル(5)1T/1x 7日分処方。今日が2回目。
    薬歴より2ヵ月前のeGFR:30→この時点で2.5mgを2日に1回が推奨用量
 A) ザイザル過量が原因だろう。他剤に変更してもらったほうがいい。
 P) お薬手帳にeGFRとザイザルの推奨用量、ザイザルにて強い眠気が現れていることを記載。
   抗アレルギー薬はたくさんあるので、手帳を皮膚科Drに見せて変えてもらってください。
 R) そうするわ。もういっかい皮膚科に行ってくる。
  
      
 
□解説
 当局では内科系の薬を投薬している。その際、他局でもらっている薬についての相談をうける。ザイザルで強い眠気があり、継続への不安があったのだろう。

 
 患者はeGFRが30と腎機能がかなり低下している。ザイザルの推奨用量は以下の通り。

用法及び用量に関連する使用上の注意

腎障害患者では、血中濃度半減期の延長が認められ、血中濃度が増大するため、クレアチニンクリアランスに応じて、下記のとおり投与量の調節が必要である(「薬物動態」の項参照)。
なお、クレアチニンクリアランスが10mL/min未満の患者への投与は禁忌である。

Photo_2

 これでは高い血中濃度が維持され、眠いのも当然だ。

 処方せんを持ってきてくれていれば、すぐに疑義照会をして他剤変更をすすめるところだが、すでに他局にて投薬を受けている。そこでお薬手帳に必要な情報とコメントを記入し、再受診を促している。

 
 
 
□考察

 ジルテックの薬効を持つ光学異性体のみを製剤化したザイザル。その売りは「眠気の少なさ」だ。しかし実際に投薬してみると、そういう患者の反応というか、実感は少ない。

 高齢者は潜在的に腎機能が低下している場合が多い。そして当局の患者は高齢者が多い。これが「ザイザルは眠気が少ない」に対する実感のなさの理由なのだろう。

 つまり、その売り文句には患者の腎機能が加味されていない。

 クレアチニンクリアランスに応じての用量調節という、しばりのある第2世代抗ヒスタミン薬はジルテックとザイザルだけだ。しかもザイザル錠5mgには割線はあるものの2.5mgの剤型はない。

 代替薬もたくさんある。ぼくがDrなら、採血データのない高齢者にはザイザルは使わないだろう。

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