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2012年1月 6日 (金)

「考えるな。考えろ」

考えることと悩むことは違う
「いつも考えている」という人はおそらく考えているのではない
そんなときは「考えるな」、そして「考えろ」

風間八宏「日本サッカーを救う『超戦術』」ベースボール・マガジン社新書

 適確なサッカー解説者の風間氏、2010年の著作。
 「サッカーも人生も同じです。立ち止まってはいけないのです」の言葉で締めくくるこの1冊は、前書きにもあるように「サッカーの話であり、同時にサッカーの話ではありません」。

 言葉と考えることについて。

【間違った言葉の使い方】

 選手が、考えることを放棄して、与えられた「言葉」を言い訳に利用するサイクルを自然に持っていること。
 指導者が、自分のチームの選手が自由な発想でプレーすると自分の目がついていかないので「言葉」で縛ること。
 主にこの二つの不安が「言葉」を間違った方法で使う元凶でしょう。 (p.48)

 
 エクスキューズとしての言葉。これはストックフレーズの垂れ流し、この薬にはこの服薬指導といった「ひも付きの服薬指導」に通じるものがある。つまりは思考停止状態。

 はっきり言って厚労省がこう言っているとかいう医療者に会うと心底ガッカリするんだよな。プロのプライドどこ置いてきちゃったんだよ。自分の頭使えよ、と思う。(岩田健太郎 @georgebest1969 Twitter 2011.12.27 )

 これは岩田健太郎先生のツィートで、お気に入り登録をしている。厚労省が…、添付文書では…、あの先生がこう言っていたから…、だけで自分の頭を使っていないものはプロではない。そういうエクスキューズのサイクルは断ち切るべきだ。

 もう一つは、枠に当てはめるための、縛る言葉。こちらは、かなり自覚的にならないとこの手の言葉を発しているかわからない。いや、きっと発しているのだろう。

 価値観はさまざまだし、人の気持ちがわかるなんておこがましい。でも理解しようと努めたい。だから「言葉」で相手を縛っていないかを意識することが必要だと思う。

 理解できないことは気持ち悪いことなので、なんとか既成の枠に当てはめようとしてしまう。でもそれでは、ほんとうのプロブレムは見えてこない。ならば、理解できないことは理解できないまま、ペンディングしておく。そのうちにいい方向に向かうかもしれない。

【「考えるな。考えろ」】

 できることを知り、そのために周囲を見ておくこと。見て得た情報から適切なプレーを選択すること、それが「考える」ということなのです。
 ですから、考える前の準備として常に周囲を見て情報を集め、選択することです。それが自然に考えることを促し、あとは自ずと技術が考える時間を決めてくれます。
 もちろん、この一連の動作をこなせない場合もあります。それが「考えなくていいとき」です。そのときに、どうするか。もうおわかりですね。考えていないことに気づき、状況に応じて一度態勢を立て直し、「見る」「選ぶ」「時間を作る」を実行する。そうすればまた、新しい視野が開けるはずです。
 「なぜ考えてしまうんだ?」と私が言うのは、このように「本当に考える」前にやるべきことがあって、それを先にしなさい、という意味なのです。(P.130)

 技術がなければ発想は生まれません。考えていなければ何も起こりません。考えられるかどうかは、先ほども書いたように「何が見えているか」「いくつ見えているか」です。(P.161)

 サッカーにおいて、次の展開を考えずにパスを受け、そこから周囲を見たり、考えたりしたのでは遅い。だから見えていないときには、ボールを動かして、見るための時間を作ることを優先する。そして、そもそも「自分は考えていない」と気がつくことが大切。そのうえで「本当に考える」前にやるべきことをやる。そうすれば、たくさんのものが見えるようになるから、成功しやすくなる。

 物事の本質は分野を超える。「考える」ということの定義は? 本当に考えているか? 本当に考える前にやるべきことをやっているか? 考える道具となる「問い」を見出しているか? 

 煮詰まったり、進展のないような場面でつぶやいてみよう。「考えるな。考えろ」。

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(16) 今月の1冊(ひのくにノ本棚)」カテゴリの記事

コメント

ありがたいお言葉だなぁ。

サッカーだけに限らない。

自己研鑽に必要な要素のひとつですね。

投稿: どめっち | 2012年1月 6日 (金) 21時19分

どめっちさん、ありがとうございます。

今年もよろしくお願いいたします。

投稿: ひのくにノ薬局薬剤師。 | 2012年1月 6日 (金) 21時49分

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