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2011年11月25日 (金)

メマリー錠5mg著効例の維持量について

ADとDLB
メマリー5mgで著効
維持量はどうすべきか?

CASE 106

85歳 男性 
他科受診:なし 併用薬:なし
副作用歴:アリセプト錠5mg→徐脈
特記:歩けない→自宅ではほとんど寝ている

処方①(11月2日):
Rp1) ニューロタン錠25mg 1T・アムロジピン錠5mg 1T・タケプロンOD錠15mg 1T / 1x朝食後 28TD
   2) アンプラーグ錠100mg 2T / 2x朝・夕食後 28TD
  3) アローゼン顆粒 1.5g / 1x就寝前 28TD
   4) メマリー錠5mg 1T / 1x朝食後 7TD 
 
処方②(11月9日):
Rp5) メマリー錠5mg 2T / 1x朝食後 7TD

処方③(11月11日):
Rp6) セロクエル錠25mg 1T / 1x就寝前 5TD
   7) ツムラ抑肝散エキス顆粒 5g / 2x朝・夕食前 5TD

薬歴から得られた情報:
① メマリーが11/2に追加。
② メマリー錠5mgで認知症症状改善(著効)
③ 11/9にメマリー5mgから10mgに増量

患者の娘のコメント: 「なんか虫が天井に這っているとか言い出して」

患者の娘から得られた情報:
① 「(そう言われれば)メマリー錠が2錠になって悪い気がする」
② 興奮傾向あり

疑義照会 :
(内容)メマリー増量に伴う副作用と思われる。5mgへ減量をすすめる。
(回答)メマリーを1錠に減らして、5日後に再受診を。

□CASE 106の薬歴
#1 メマリー増量に伴う副作用?
  S)メマリー錠が2錠になって悪い気がする
 O) 幻視・興奮→Rp6)7)
      「虫が天井に這っている」
 A) メマリー増量に伴う副作用ではないか
 P) 疑義照会→メマリー減量となる。
   今日の薬とメマリーを1錠に減らして様子を見て。
   5日後に再受診のDr指示を伝える。

◎漢方は食後でも可。
◎身体が傾いたり、過鎮静になるなら申し出て

 
□解説
 アルツハイマー型認知症(AD)でアリセプトが合わなかった患者さん。自宅ではほとんどベッドに寝ており、周辺症状で介護者が困ることはなかったようだ。

 物忘れがひどくなったのでメマリーを導入。5mgで著効。会話が成り立つようになる。添付文書通りに1週間後に10mgへ増量したところで幻視が現われ、興奮傾向となる。

 11月11日の処方を見ての「メマリーの副作用では?」という思いは、患者の娘の「そう言われれば、メマリー錠が2錠になって悪い気がする」の一言で強まる。

 疑義照会にて、意見が採用され、メマリーが減量となる。

 この一連の流れが大事と考え、SOAP形式で記録する。追加薬については服薬支援の内容のみ◎にて箇条書きで記載している。

 
□考察
 その後、この患者の幻覚・興奮は消失し、セロクエルと抑肝散も必要なくなり、メマリー5mgだけで良好に経過している。

 あとから考えると、この患者はレビー小体型認知症(DLB)ではないかと思い至る。まずメマリーが5mgという少量で著効を示したこと。つぎにメマリーを増量したことでDLBに多い幻視が現れた点だ。

 処方医に面会し、考えを伝える。Drも同意し、過去のアリセプトの副作用もDLBには5mgが多かったために起こったのかもな~などの話をする。「患者はこのままコメントを入れてメマリー5mgで継続する。保健上はADにしておくしかないだろう」との結論に至った。

 やはりADとDLBの判別は難しいようだ。認知症薬が少量で著効を示すようならDLBを疑って、増量時の副作用に注意したほうがいいだろう。

 そもそもメマリー5mgで著効を示したのなら、そこで止めればいいのだ。添付文書に従うと20mg(高度腎機能低下患者で10mg)まで増量せざるを得ない。しかしこれはADでのこと。DLBが認知症の20%も存在し、DLBの適応のある薬がない状況を考えると、安易に添付文書通りに増量するのではなく、患者の状態に応じて維持量を決めた方がいいのではないだろうか。

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2011年11月21日 (月)

ただやり方を考えていないだけ

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2011.11.20 
サッカーリーグ第9節

    前半 3-0 
    後半 2-1  

    Total  5-1

 

 第8節が9月だったのでひさしぶりの試合。チームは快勝。後半よりFWで出場する。

 相手は前半だけで3点もやられ、守りを建てなおしカウンター狙いでまとまっていた。そんなこととはつゆ知らず、次はオレの番とばかりにいきまいてピッチに立つ。

 ところがたった一人のDFに封じられてしまう。周りは見えていたが、つまらないこだわりがじゃまをする。結果、ますます抑えられる。自滅。消耗。しだいにスピードでもふりきれなくなる。

 残り5分。もう一人では勝負できない。裏にボールを引き出すことはできる。でもそのあと勝負するスタミナがもうない。完全にガス欠。できないことはあきらめるしかない。そこでやっと冷静になれた。

 サッカーは団体競技。一人で突破できなくとも、連携すればいい。ボールをあの枠の中に転がせばいい。できないことはあきらめて、他のやり方を考えればいい。

 サイドに広がり、ボールを引き出す。DFが戻りながらも届かない、GKも飛び出せないところにアーリー気味にセンタリングをあげる。イメージが湧く。もうそれしかできないから。

 ボールはイメージ通りの軌跡を描く。そのボールを若いFWがきっちり流し込む。

 ~今回の教訓~

 1)優先順位を考える。

 2)できないことはあきらめる。そして、できることを考える。

 ただ「できない」と言っているとき、それはただやり方を考えていないだけかもしれない。

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2011年11月18日 (金)

麻黄湯とその派生処方 その1

インフルエンザなら麻黄湯!?
麻黄は水をさばく生薬、どうさばくのか?
寒熱は漢方ならではの重要な概念だ

 インフルエンザシーズンに品薄筆頭の漢方といえば麻黄湯だ。タミフルなどと併用すると罹患期間が短くなるそうだ。でも、漢方の概念からして病名から方剤が決まるはずがない。

【基本処方:麻黄湯】
 麻黄湯といえば、有名な発汗剤だ。つまり表証用の方剤である。そして、咳にもよく奏効する。

 No.27(麻黄湯): 麻黄、桂枝、杏仁、甘草
 
 適応:外感風寒表実証

 麻黄湯には2つの配合法則が含まれている。まず「麻黄+桂枝」で発汗を促す。麻黄は麻黄湯の主薬であり、桂枝と組み合わせることで、それぞれ単独で用いたときよりも発汗作用は強くなる。次に「麻黄+杏仁」で鎮咳・平喘作用をあらわす。最後に甘草。これは麻黄+桂枝の発汗過多による消耗を防止するため、つまり緩和の目的で配合されている。

 インフルエンザやカゼなど(外感)で、急に悪寒(風寒)や発熱、頭痛、咳、鼻汁など(表証)が生じ、無汗(実証)の状態に適している。

 もっとも大事な点は「汗」である。自汗なら麻黄湯ではなく桂枝湯などが適応となる。ここを理解できなければ、漢方でのカゼ疾患の治療は無理と考えていい。

 そして、麻黄湯は強力な発汗剤なので、汗が出たら中止し、長期間使わないようにしたい。また、汗の出やすい虚弱体質者への使用は避けるべきである。

【麻黄湯の派生処方】

 No.55(麻杏甘石湯): 麻黄、石膏、杏仁、甘草

 適応:外感風熱、肺熱咳喘

 麻黄湯の桂枝の代りに石膏が入ると麻杏甘石湯となる(各生薬名が1文字ずつで覚えやすい)。麻黄4g対して石膏は10gも入っており、主薬となる。石膏は大寒の生薬で、これがあるとその方剤も全体として寒性を示す。さらに「麻黄+石膏」の配合法則で、麻黄の発汗作用は方向転換し、むしろ止汗的に作用する。

 麻黄は「水をさばく」生薬である。組む相手によって、さばく方向が変わる。

 麻黄+桂枝 → 発汗、つまり表に水をさばく
 麻黄+石膏 → 止汗、つまり裏に水をさばく

 そのほかの生薬の配合目的は麻黄湯と同じ、つまり「麻黄+杏仁」で鎮咳・平喘に、甘草は諸薬の調和のために配合されている。

 インフルエンザやカゼなど(外感)で、急な発熱やのどの痛み(風熱)、急性気管支炎、発熱すると喘息発作が出る場合など(肺熱咳喘)に用いられる。

 「急性」かつ「熱証」がキーワードだ。具体的には、寒気はなく、汗は有汗(あるいは無汗)、口渇、黄色い痰などである。

 熱証には抗生剤の併用がおすすめ。また、肺熱がひどくなるようなら、清肺湯などを検討したい。

 この麻杏甘石湯からの派生処方に越婢加朮湯がある。

 No.28(越婢加朮湯): 麻黄、石膏白朮、甘草、生姜、大棗

 適応:風水

 
 麻杏甘石湯から杏仁を抜き、白朮と生姜、大棗を加えると越婢加朮湯となる。

 「麻黄+石膏」で裏に水をさばく(利水作用)。この方剤も石膏が入っているので、寒性を示す。また石膏は裏熱や口渇に効果がある。

 白朮は脾(消化器系)を強くし、甘草とともに体内に水湿(水分の代謝異常)が生じないように働く。水湿は痛みにつながるから、それを抑えることで鎮痛作用を示す。

 「生姜+大棗」の配合法則は、副作用防止、作用緩和の目的で配合されている。

 
 適応の風水は「急に腫れる」といったイメージだ。臨床で用いる場合には、関節の発赤・熱感・疼痛・腫脹がポイントとなる。

 

【投薬時の注意点】

 麻黄を含む方剤に共通する注意点: 麻黄には交感神経や中枢神経の刺激作用があるので、興奮、血圧上昇、動悸、頻脈、発汗過多、排尿障害を引きおこすことがある。とくに、証が異なる場合(不適応)や麻黄の量が多い場合には要注意。

 No.27(麻黄湯):温服】強力な発汗剤なので、汗の出やすい虚弱体質者にはさける。また、発汗が見られ解熱した場合には中止する。単独での長期服用も避ける。

 No.55(麻杏甘石湯):冷服】風寒による(急に寒くなると出る)喘息には用いてはいけない。 

 No.28(越婢加朮湯):冷服】手足の冷えや寒がりの方には単独では用いない。また服薬中に手足の冷えなどを訴える場合には中止する。

 * 寒熱は西洋薬にはない概念。ここを間違えると副作用が出やすいので注意したい。

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2011年11月11日 (金)

漢方の飲み方と心不全

漢方をどのように飲んでいるのか?
それが病態を悪化させる要因に?
漢方薬の温服について

CASE 105

87歳 女性 
他科受診:なし 併用薬:なし

処方1:
Rp1) バイアスピリン錠100mg 1T・タナトリル錠5mg 1T・メインテート錠2.5mg 1T・ダイアート錠30mg 1T・ハーフジゴキシン錠0.125mg 1T・アルダクトンA錠25mg 1T / 1x朝食後
  2) アイトロール錠20mg 1T / 2x朝・夕食後
 3) ムコスタ錠100mg 3T / 3x毎食後
  4) ツムラ麻子仁丸エキス顆粒 5g / 2x朝・夕食前
 
処方2:
Rp5) バイアスピリン錠100mg 1T・タナトリル錠5mg 1T・メインテート錠2.5mg 1T・ダイアート錠60mg 1T・ハーフジゴキシン錠0.125mg 1T・アルダクトンA錠25mg 1T / 1x朝食後
  2) Do
 3) Do
  6) マグラックス錠330mg 4T / 2x朝・夕食後

処方3(今回の処方):
 4) ツムラ麻子仁丸エキス顆粒 5g / 2x朝・夕食前

薬歴から得られた情報:
① 処方1→処方2と推移
② 心不全治療中にて水分制限あり
③ 漢方を湯に溶いた後の残渣を服用→口腔内が苦いので水を多飲→心肥大・足のむくみ(+)→ダイアート増量
④ 原因となった漢方はマグラックスへと変更

患者の娘のコメント: 「やっぱり、あの漢方じゃないとうまくいかないみたい」

患者の娘から得られた情報:
① マグラックスを中止し、ツムラNo.126を再開
② 1人暮らし
③ 電子レンジはあるけど、使えないかも?
④ Drからは「水を飲みすぎないように」と

□CASE 105の薬歴
#1 漢方温服時の残渣に対応し、心不全の悪化を防ぐ
  S)やっぱり、あの漢方じゃないとうまくいかないみたい
 O) ツムラNo.126再開(マグラックス中止)
    薬歴より温服時の残渣の服用が問題(心不全悪化)
 A) 電子レンジ(+)だが、本人が1人暮らしで使えるか不明
      使えない場合は心不全悪化防止が優先
 P) 漢方は湯に溶いたあと電子レンジに30秒から1分かけるときれいに溶けます。
    もしレンジが使えないようなら、残渣に湯を足して溶かしてしまうか、
    残渣は飲まないように伝えてください。
 R) そうします。同じことのくり返しだもん。

 
□解説
 漢方の服用法が原因で心不全の悪化を招いてしまった症例。

 漢方をふつうにお湯に溶くと、完全には溶けきれずに残渣が残ることが多い。これをそのまま服用して苦みが口内に残る。それが水の多飲につながり、心不全を悪化させる。そんなこともあるのか、というのが第一印象(薬歴を読んだ時点での印象)だった。

 漢方薬を温服するときには、電子レンジを使うときれいに溶ける。私は30秒から1分くらいチンするといいと伝えている。そのくらいならば成分が壊れることはない。

 この一手で解決を試みる。しかし患者は1人暮らしで「電子レンジが使えるかわからない」という。この情報にさらに驚く。まだまだ患者のことが、患者の生活がわかっていない。

 いま大事なのは心不全の悪化を繰り返さないこと。レンジが使えない場合も考えて、服薬支援を行っている。

 
□考察
 結局、この患者さん、自分ではレンジを使えなかった。残渣を残すようにし、家族がいるときにはレンジにかけてもらっている。

 こんなこともあるんだな~と強く印象に残った。

 薬をどのように服用しているのか? その患者はどういう病態なのか? この2点を把握しておかないと、僕らの知識なんて空回りするだけだ。患者の役には立てない。そう思った。

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2011年11月 4日 (金)

「医療とは」を考える その2

医療者にかかるバイアスとは?
そして日本の医療のあるべき姿と
そのために必要な語り口とは?

岩田健太郎「ためらいのリアル医療倫理」技術評論社

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【医療者にかかるバイアス】

 YES or NO といった命題は医療というフィールドにふさわしくない。その理由の一つに「口調」の問題がある。

 医療者には、生命維持バイアスのようなものがあります。健康によければ、だれもが賛成してくれるだろうという「正義のエゴ」が多かれ少なかれ(僕にも)あります。しかし、それは一般社会では必ずしも全面的には受け入れられていないのです。その「受け入れられていない」という事実に気がついていない医療者は、割と多い。(P.141)

 たしかにこのバイアスは存在する。ただそれを意識することは多くはない。いや故意にその意識を遮断してしまっているのかもしれない。しかし恣意的なものはあっても強制的なものはないはず。「健康」だって例外ではない。だからこそ一般社会に全面的に受け入れられていないのだろう。

 そして、そういうバイアス的なものにもっと自覚的になれば、その口調も断定的ではなくためらい的なものにならざるを得ないのだろう。

 

【逆説的な心構え】

 患者に関する本質的な問題解決を医療者自身の力でもたらすことは、実は僕らが信じているよりも多くはありません。僕らは、患者に対してとても無力な存在なのです。自分たちがそうありたいと思う基準に比べればずっと。この厳しい現実を理解することが、一歩前進の前提となります。この冷徹な理解を持たず、「患者の気持ちが分からないと一人前の医者とは言えない」なんて生意気な口をきいているうちは、いつまでたっても患者と医療者は歩み寄れません。医療者が手前勝手の論理と道徳を押し付ける温床にしかなりません。(P.21)

 なりたいものを目指せば目指すほどそれは遠のいていく。患者の気持ちをわかろう、わからないといけない、なんて純粋な、一方では傲慢な心構えが医療者と患者の心を遠ざける。医療者からの押し付けとそれにうんざりする患者という構図を生み出す。それは皮肉とも、当然とも見える。

 「患者の気持ちが分かる」と思った瞬間、その医療者は患者の上位に立ってしまいます。ラテラリティー(一方性)が生じるのです。(P.22)

 「患者の気持ちなんて本当のところは分からない」。でも医療者として患者の役に立ちたい。だって患者の役に立つことこそが医療の本質なのだから。

 分からないなりに想像し、ためらいながらも情報提供をしていく。そちらのほうが傍から見ればよっぽど患者の気持ちが分かる医療者に見えるのだろう。

 まさに逆説的な心構えが必要なわけだ。

【派生概念を丸呑みすることで生じる無理】

 患者の守秘義務(個人情報の保護)とか、インフォームド・コンセント(説明されて、同意するというような意味です)という概念も実は、患者の自己決定権の強さから派生されてできた概念です。自己決定権があるから(あるいは個人という「自己」があるから)こそ守秘義務があり、インフォームド・コンセントが生じるのです。(中略)

 繰り返しますが、日本における医療者と患者の関係はアメリカのそれのような厳密な契約関係にはありません。医療の姿は「何を大切にするか」という価値がそのあるべき姿を決定します。したがって、自己決定権という価値の重みが異なる社会においては、そのありようが同列に扱われるのは不自然であり、日本における患者の自己決定権や個人情報の扱いと、アメリカのそれとが異なるのはむしろ当然だと思います。(P.131)

 カルテ開示や薬歴開示を求めてくる患者もいるにはいる。しかしその数は非常に少数で、何かトラブルのようなものがあったときがそのほとんどだ。つまり日本の患者の多くは医療者を基本的には信用してくれている。だから薬の名前もなかなか覚えてくれない。

 いやいや、それは信用ではなく、文化の問題だ。欧米は自立文化で、日本は依存文化だからだよ。そういう意見もあるだろう。でもそれでも問題は同じだ。

 欧米は自立文化だから「自己」「自己決定権」が色濃くあって、そのうえに派生概念が生じている。対して日本のそれは文化としての色合いが薄い。だから自己決定権の派生概念である個人情報保護やインフォームド・コンセントを日本の医療に持ち込んでもしっくりこないわけだ。いやむしろ足枷といいたい。

 医療の姿は「何を大切にするか」という価値がそのあるべき姿を決定する。

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