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2011年4月22日 (金)

フラベリックによる聴覚異常

自分で調べた「薬の情報」
SOAPのどこに書くのか?
そもそも書く必要があるのか?

CASE 92

40歳 女性 

他科受診:なし  併用薬:なし

昨日の処方内容:
Rp1) ルリッド錠150mg 2T・テオドール錠100mg 2T / 2x朝・夕食後 4日分
 2) フラベリック錠20mg 3T・ムコダイン錠250mg 3T・ムコスタ錠100mg 3T / 3x毎食後 4日分
 

患者からのTEL: 「半音低く聞こえて、気持ち悪いんだけど…」

患者から得られた情報:
① 昨日、服薬後より半音低く聞こえる
② 服薬中止後、今はよくなっている
③ カゼ症状自体は楽になっている

□CASE 92の薬歴
#1 フラベリックによる聴覚異常
  S) 半音低く聞こえて、気持ち悪いんだけど…
 O) 服薬中止後に症状は改善
    カゼ症状は改善傾向
 A) フラベリックにのみ聴覚異常の報告(+)
 P) 咳止めの影響と思われる。
    咳がきつくなければ、フラベリックのみを中止し、
     そのほかの薬は服用して様子をみてください。

 
□解説
 患者との電話対応を記載したもの。ポイントは1つ。自分で調べた薬の情報はどこに書けばいいのか? という点だ。

 IMSの副作用サーチで検索をかけてみる。すると、フラベリックにのみ「聴覚異常(音感の変化等)」という副作用の記載があることがわかる。

 この情報は薬の情報である。患者の情報ではないので、(O)情報ではない。私はこの薬の情報を判断の根拠としたので(A)に記載している。

 
□考察
 薬の情報はそもそも書く必要があるのか? それが患者のためになるなら書くべきだろう。しかし無理にSOAPの中に組み込む必要はない。
 
 薬の情報を書く必要があるとすれば、判断の根拠とした場合、つまり(A)以外にはない。

 (O)情報にだらだらと薬の情報を記載する薬歴からは卒業したい。それではSOAPのメリットを活かせない。なぜなら、ほんとうに必要な情報(それが(O)情報)を患者から聞きだそうというSOAP思考が発動しないからだ。
 

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(01) SOAP」カテゴリの記事

コメント

初コメントです。よろしくお願いします。
私的には、”A) フラベリックによる聴覚異常の可能性あり”
と書くかもしれません。

3~4年前のDSUに記載され、添付文書も改訂されたと思います。
当時、少し調べてみましたところ、学会での症例報告が基で改訂
されたようでした。
患者さん自身が、経験談として書かれているブログもあったと思います。
フラベリック処方の患者さんは、音にまつわるお仕事をされていないかどうかはさりげなくチェックしています。
一度音大生に処方されていましたので、不安を与えないように伝えてはおきました。

投稿: こうきあつ | 2011年4月26日 (火) 23時42分

こうきあつさん、はじめまして。よろしくお願いします。

>私的には、”A) フラベリックによる聴覚異常の可能性あり”
>と書くかもしれません。

ここは私の自信のなさの表れですね。フラベリックでそんな副作用があるなんてまったく知りませんでしたから。

>フラベリック処方の患者さんは、音にまつわるお仕事をされていないかどうかはさりげなくチェックしています。
>一度音大生に処方されていましたので、不安を与えないように伝えてはおきました。

すばらしいですね。まだまだそこまで意識できていません。音にまつわる仕事という時点でピンとこないくらいです。

今回の症例はいい経験ができました。

投稿: ひのくにノ薬局薬剤師。 | 2011年4月26日 (火) 23時57分

>「隣の薬局の薬歴って気になりませんか?」
私も気になりますね。
薬局と言うよりも他の薬剤師の先生の薬歴が気になります。
いろいろ参考になりますからね。

添付文書からの情報であれば、客観的情報となり
O)のような気もします。2行書くかもしれません。
A)フラベリック服用による聴覚異常の可能性あり
O)添付文書:聴覚異常頻度不明と記載あり
順番は逆かもしれません。

ちなみに聴覚異常ですが、
私のような音痴は、感じる可能性が低いでしょうね。
音感に優れた方しか感じない副作用と思われますね。

やはり患者の職業等のチェックはさりげなく必要ですね。

堅いコメントになりましたが、マニアックといえばマニアックな事例ですよね

投稿: こうきあつ | 2011年4月27日 (水) 13時46分

おつかれさまです。

私は(O)情報とは患者の情報であるべきと考えています。
添付文書の情報は患者の情報ではないので(O)にはいれません。

Objective Dataを直訳すると客観的情報となるので、添付文書の情報も(O)情報ってなっちゃうので、たんに「所見」と捉えるようにしています。

6年制の実習生も
S:主訴
O:所見
A:SとOから考えたこと
P:実際に行った服薬指導など

そして
S、Oは患者の情報
A,Pは医療者側

とならってきていました。

で、たぶん今回の問題は私の(A)の言葉足らずに起因しているんだなあと感じています。

(A)にはフラベリックのことしか書いていないけど、(O)情報を受けて、フラベリックだけやめとけば大丈夫でしょうみたいな(P)になるわけですから。

もし咳がひどいという(O)情報なら、すぐに受診するように促したでしょうし。やはり(A)はもう少し具体的に書かないといけないかな~。

慣れてくると、わかるでしょ、って手を抜いちゃう。注意しよう。

投稿: ひのくにノ薬局薬剤師。 | 2011年4月27日 (水) 17時35分

はじめまして
私も過去に数例経験しました。
保育士さんや音楽の先生でした。
私などは、半音階低いや高いと言われても全くわかりませんが、
毎日音を聞く仕事をしている方にとってはかなり気になったようです。
ただ、そういう方達への服薬指導時に
「半音階程度の聴覚異常」などと説明してしまうと…
そういう副作用が出るかも知れないという思い込みから実際に発生しやすく
なり、ライフスタイルのヒアリングも気を使っております。

投稿: keycrew | 2011年5月29日 (日) 23時55分

keycrewさん、はじめまして。

この副作用けっこうあるんですね。
私はまだこの1例ですが、おっしゃることはよくわかります。
難しいですよね。

まずは仕事内容の把握から、と感じています。

投稿: ひのくにノ薬局薬剤師。 | 2011年5月30日 (月) 09時34分

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