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2011年1月 7日 (金)

学びについて その2

学びのプロセスと学びの本質について
そして、キーワード 「時間」
学びは等価交換ではないダイナミックなプロセスだ

内田樹 「下流志向」 (講談社文庫)

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【学びのプロセス】

 まず、学びがあり、その運動に巻き込まれているうちに、「学びの運動に巻き込まれつつあるものとしての主体」という仕方で事後的に学びの主体は成立してくる。私たちは自らの意思で、自己決定によって学びのうちに進むわけではありません。私たちはそのつどすでに学びに対して遅れています。私たちは「すでに学び始めている」という微妙なタイムラグを感じることなしに、学び始めることができないのです。(P.76)

 ‘私たちはそのつどすでに学びに対して遅れています’ 確かにそうだ。わたしにはまだまだわからないことが多い。症例を目の当たりにし、いつの間にか詳しくなっていくこともしばしばある。

 学び始める前のわたしには価値や有用性がわからなくとも、事後的に考量できる。つまり、学ぶ前と後では違う人間になっているわけだ。実務実習ワークショップでの「共に学び、共に変わる」という言葉を思い出した。

【学びの本質】

 自分自身の価値判断をペンディングしなければ、「判断できないことについて判断する」というアクロバシーは演じられない。
 学びは、この瞬間に起動します。なぜなら、自分自身の価値判断を「かっこに入れる」ということが実は学びの本質だからです。 (P.179)

 自分の価値観が正しいとか、すぐに役に立つのかとか、お金にならないとか、そういったものに囚われている限り、学びは発動しない。メンターを得ることもできない。

【学びのキーワード】

 著者は、学びを考える際のキーワードは「時間」である、と述べている。

 知性とは、詮ずるところ、自分自身を時間の流れの中に置いて、自分自身の変化を勘定に入れることです。
 ですから、それを逆にすると、「無知」の定義も得られます。
 無知とは時間の中で自分自身もまた変化するということを勘定に入れることができない思考のことです。(P.182)

 時間意識をもつことが学びの起動に伏流している。わたしたちは市場原理的なイデオロギーのために無時間モデルに慣れすぎているためか、視野の射程が短い。

 重要かつ緊急なものに取り組まない人間はいないが、重要だが緊急度の低いものに取り組み続けている人間は少ない。

 時間意識をもち、視野の射程を伸ばすことで、時間のかかる重要なことにも取り組んでいきたい。 

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