« 齋藤孝先生講演「言葉のもつ力」 | トップページ | NSAIDs潰瘍と黒色便 »

2010年11月 5日 (金)

科学者と技術者

 「すべての薬剤師は科学者であれ」

 数年前の学会で聴いた言葉だ。会場の盛り上がりとはうらはらに、ひいている自分がいたことを覚えている。理由はわからなかった。ただ違うんじゃないか・・・と。

Dsc_0059_2

 科学者の意味は文脈上、研究者に近いものだった。そもそも科学者とは科学知識の探求を行う人を指す。間違いではない。だから漠然と違うと感じたのだろうか。

 
 薬局薬剤師は医療者である。誤解を恐れずにいえば、「医療は人間関係」だ。人間関係のうえに医療は成り立っている。では、科学つまり薬学知識は薬局薬剤師にとって、何にあたるのか。

 それは道具だと思う。道具にすぎないが、良い道具は大切だ。

 普通は、目指すものがあって、そこへ到達するために道がある。道具とはそういった「過程」を築くための存在といえる。しかし、良い道具を持つことは、人の視点を変える。素晴らしい道具に触れると、ときとして視野は高くなる。はるか遠くまで見通すこともできるだろう。

 (*1 p6 より引用)

 
 道具を磨くことも大切だ。しかし、わたしは、道具をどう使うか、ということに思考をめぐらすことが大事だと思う。

 患者の服薬行為を支援するために、患者が抱えている問題を解決していくためにはどうすればよいか? それが最大の関心事だ。

 技術者つまりエンジニアとは何者かというと、理由を考え発想を待つ科学者ではなく、目の前にある問題を解決する人のことだ。

 (*1 p108 より引用)

 わたしは科学者ではなく技術者、つまり目の前にいる患者の抱えている問題を解決する者になりたい。目の前の患者に医療をしたい。

 わたしは薬局薬剤師として、科学者ではなく技術者でありたい。

にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ

人気ブログランキングへ

*1:森博嗣 「森博嗣の道具箱」 中公文庫

森博嗣の道具箱

森博嗣の道具箱

価格:1,000円(税込、送料別)

|

« 齋藤孝先生講演「言葉のもつ力」 | トップページ | NSAIDs潰瘍と黒色便 »

(16) 今月の1冊(ひのくにノ本棚)」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 科学者と技術者:

« 齋藤孝先生講演「言葉のもつ力」 | トップページ | NSAIDs潰瘍と黒色便 »