カテゴリー「(06) 製剤学(GEを含む)」の5件の記事

2016年3月18日 (金)

アラミストが壊れている?

アラミスト点鼻液が出ません。
手技の確認そして手技の意味。
理解を促す一枚の写真。

CASE 180

女性 65歳 

他科受診:なし  併用薬:なし

定期処方:
Rp1) アムロジピン錠2.5mg 1錠   分1 朝食後   28日分

Rp2) フェキソフェナジン錠60mg  2錠 分2 朝・夕食後  28日分

Rp3) アラミスト点鼻液27.5μg56噴霧用 2キット

患者のコメント:
「(アラミストが)ときどき出ないことがあるの」

手技の確認:
① 使い始めの空打ちはOK
② 使用前によく振っていない

□CASE 180の薬歴
#1 アラミスト使用前に振ることの意味を理解する
 S) (アラミストが)ときどき出ないことがあるの
 O) 使用前によく振っていない
 A) よく振っていないのが原因だろう。まずその意味を知ることが必要。
 P) よく振ることでサラサラの液体になって噴霧できるようになります。
 
□解説
 アラミスト点鼻液の手技に関する話題。レバーが固いという訴えもよくある。そんなときは両手での噴霧方法を指導するとうまくいく。そして、もう一つがこれだ。「ときどき出ないことがある」このくらいならまだいいが、「液が出ない=壊れている」となることもある。

 今回のケースでは使用前に振っていないことが原因だった。アラミストの中身は粘り気のある懸濁液で、よく振ることでその液体がサラサラになり正しく噴霧できるからだ。

Photo

 
□考察
 薬をきちんと飲めない・飲まない理由の一つに、その薬の必要性を理解していないことがある。つまり、「なぜ、それが必要か」を理解していないから、服薬行動につながらない。

 アラミスト点鼻液に関する今回の訴えも同じ理屈だ。なぜ、その手技が必要なのか。それを理解していないから、おざなりになってしまったのだろう。

 よく振る目的が均一にすることなら、薬は噴霧されるはず。出ないということは壊れているに違いない、となるわけだ。こういうことは、その手技の意味を理解しておくことが対策になる。先の写真はそのよきツールになるだろう。
 

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2015年7月17日 (金)

気管支喘息のICS/LABA配合薬をまとめてみました。

【ICS/LABA配合薬(BA)投与用量の目安一覧表】
手技やアドヒアランスに意識の中心があるこの分野。
ちょっと頭の整理をしてみました。

Ics_laba_2

 アドエアとレルベアに使われているLABA、サルメテロール(SM)とビランテロール(VI)には用量反応性がありません。よってLABAを増量することはできないため、ステップアップ(もしくはステップダウン)する際には、必ず違う規格のものを用意しなくてはなりません。

 一方、シムビコートとフルティフォームのLABA、ホルモテロール(FM)には用量反応性があるため、一回の吸入回数を変更することで、投与用量の変更に対応することができます。ということは、処方せんの不備で、一回吸入量が記載されていない場合には、照会が必須になるわけです(アドエアとレルベアなら用法・用量は決まってますから・・・)。

 とくにシムビコートの場合、SMART療法まで含めて、一つのデバイスで対応が可能になります。便利といえば便利なのですが、患者の吸入状況の把握が難しくなるといったこともしばしば経験します。

 

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2012年12月14日 (金)

口腔内崩壊錠を歓迎するOAB患者

口腔内崩壊錠(OD錠)はあなたの中でどんな位置付けですか?
メーカサイドの視点ではなく、薬剤師サイドの視点を持つ
OD錠は嚥下困難だけではなく、アドヒアランス的にも有用だ

CASE 131

70歳 女性 
他科受診(-) 併用薬(-)

前回の処方:
Rp1) アルファロールカプセル0.5μg 1T/1x朝食後 28日分
 2) バップフォー錠10mg 1T・ガスター錠10mg 1T /1x夕食後 28日分

今回の処方:
Rp1) アルファロールカプセル0.5μg 1T/1x朝食後 28日分
  3) ステーブラOD錠0.1mg 2T/ 2x朝・夕食後 28日分
  4) ガスター錠10mg 1T/ 1x夕食後 28日分

患者のコメント: 「口が渇くと申し上げたら、薬を変えておきましょうと」
        「(ステーブラOD錠は)水なしで飲めるんですね。それは助かります」

薬歴から得られた情報:
① バップフォーとガスターの服薬状況はよくなく、その理由もはっきりとはわかっていない。夕食後に忘れたときは、寝る前でもよいとのアナウンスが繰りかえされている。
② 口渇の訴えはときどきあるが、少量の冷水や氷などで対応している。
  (*参考 : 「口渇」 →CASE 74CASE 75
③ ジェネリック(GE)へのスタンス「どっちでもかまわない」

患者から得られた情報:
① 夜間頻尿がイヤなので、夜は水分を摂らないようにしている。

GE変更: ガスター錠10mg→ガスポートD錠10mg

□CASE 131の薬歴
#1 口腔内崩壊錠で夜の服薬状況を改善する
  S)(ステーブラOD錠は)水なしで飲めるんですね。それは助かります。
   夜間頻尿がイヤなので、夜は水分を摂らないようにしている。
 O) 口渇のため、バップフォー→ステーブラODとなり、OD錠を歓迎
   1x夕の服用状況がよくない。
  
 A) 夜間の水分制限がRp2)の飲めていない理由だったのでは?
    であるならば、ガスターもD錠にすれば解決する。
 P) ガスポートDを紹介→変更となる。
    夜は二つとも水なしでOKです。
    夕食後に飲み忘れたら、寝る前になってもOKですよ。

 
□解説
 夕食後の服薬状況がよくない患者。寝る前でもよいというアナウンスも効果がなく、いま一つ打つ手がない状況にあった。

 そんなおり、患者の口渇の訴えによって、バップフォーがステーブラODに変更となった。口渇が少ない新しいタイプの薬と紹介するも、その点よりも「水なして飲むことができる」という製剤的な特徴に、患者は関心を示す。ここにフォーカスした。

 さらにお話を伺うと、夜間頻尿がイヤで、夜の水分摂取を控えているという。

 つまり、夜の服薬状況が悪い原因はここにあったのだ。であれば、ガスターもD錠にしてしまえばいい。

 疑義照会でもよかったのだが、GE変更で対応できれば、医師を通さずに話はすぐに片がつく。案の定、二つ返事で変更となった。

 これで「夕食後に飲み忘れたら、寝る前になってもOKですよ」というアナウンスがほんとうに活きてくることになるだろう。

 
 

□考察
 さいきん、OD錠への考え方を改めている。以前は、薬局の在庫の問題やGE対策としか思えないタイミングでの発売など、あまりよいイメージを持っていなかった。

 もちろん、嚥下困難のある患者にとっては望まれる剤型であることは間違いない。さらに、ハンドリングを考えるうえでも有用な場合も多い(CASE 122 ハンドリング問題を解決するジェネリック 参照)。しかし、一律にすべての患者にOD錠である必要はない。もっと言えば、一剤だけOD錠だったとしても仕方がないのではないか。簡易懸濁法もあるし・・・。そう考えていた。

 だが、そういう否定的な考えからは何も生まれない。それは思考停止となんら変わりがない。GE対策なんでしょ、と思っているだけでは、それをどう役に立てようかなんて、嚥下困難の患者以外に思いつくはずもない。

 そんなことを再認識させてくれる症例だった。

 OD錠を含めた製剤学的知識こそ、薬剤師の中心技術の一つのはず。そのラインナップが増えることは、薬剤師にとって、ほんらい歓迎すべきことだ。そうであってこそ、患者にとっても喜ばしい状況につながるはずである。そう考えるようになった。
 

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2012年7月27日 (金)

ハンドリング問題を解決するジェネリック

錠剤は小さいほうがいい?
嚥下とハンドリングのバランス
GE(ジェネリック)の次のステージへ

CASE 122

85歳 男性  

他科受診:なし  併用薬 :なし

定期処方:
Rp1) アマリール錠0.5mg 1T・バイアスピリン錠100mg 1T・タケプロンOD錠15mg 1T / 1x朝食後 28日分
  2) パントシン錠100mg 3T・マグミット錠330mg 3T / 3x毎食後 28日分
  3) アトルバスタチン錠10mg 1T・タムスロシン錠0.2mg 1T / 1x夕食後 28日分
 4) マイスリー錠5mg 1T・デパス錠0.5mg 1T・プルゼニド錠 2T / 1x就寝前
 5) カリーユニ点眼液 5mL 1本
 
*Rp1)~3)は一包化

患者の息子から得られた情報(本人といっしょに来局):
① アマリール錠はつかみにくいみたいで、唾を指先につけてくっつけている。
② (一包化の)袋のなかにアマリール錠だけが残っていることがある。
③ 嚥下は問題ない。

薬歴(特記)から得られた情報:
① GEは差額の大きいもののみ希望
② タケプロンは「アスピリン潰瘍予防」のため変更不可

GE変更: アマリール錠0.5mg → グリメピリド錠0.5mg「三和」

□CASE 122の薬歴
#1 ハンドリングを考慮してグリメピリド錠「三和」に変更する
  S)アマリール錠はつかみにくいみたいで、唾を指先につけてくっつけている。
   (一包化の)袋のなかにアマリール錠だけが残っていることがある。
 O) 特記より「GEは差額の大きいもののみ希望」
    嚥下はNP
 A) GEへの理解がないわけではないので、ハンドリングを考慮し、
    アマリールもGE変更したほうがいいだろう
 P) アマリールをGEへ変更する。
    前よりも大きく、楕円なのでつかみやすい。
   色もついているので見落としにくい。
    食事がとれないなど、飲めないときの識別にも便利。   
 
□解説
 「アマリール錠はつかみにくいみたいで、唾を指先につけてくっつけている」「(一包化の)袋のなかにアマリール錠だけが残っていることがある」この二つの情報にフォーカスする。

 たしかにアマリール錠0.5mgは小さい。

05
 ここですぐにGEが頭に浮かぶ。

 特記を見るとジェネリックに理解がないわけではない。28日分で7円しか安くならない(1割負担)ので変更になっていないだけだ。

 そこで、グリメピリド錠0.5mg「三和」を紹介する。

Photo_4
 これでハンドリング問題は解決だ。おまけにシックデイなどのときの識別にも役に立つ。まさに一石二鳥だ。
 

□考察
 「高齢者は嚥下の悪いかたが多い。だから錠剤は小さい方がいい」というのは早計だ。小さすぎると今度はつまみにくい。さらに見落としもある。

 薬剤のサイズを考えるうえでは、嚥下とハンドリングという二つの視点が必要だろう。

 グリメピリド錠0.5mg「三和」でハンドリングは問題ない。もし、この患者の嚥下が悪ければ、OD錠を用意してあげればいい、と言いたいところだが、0.5mgのOD錠はないようだ。

 ところで、OD錠はなにかと評判が悪い。まず在庫の問題。つぎに市場するタイミングが、GE対策と思われても仕方がないからだ。

 しかし分包機で壊れない硬度なら、やはりOD錠は嚥下、ハンドリングともに有用なケースが多い。ただし、唾でもむせるくらいに嚥下の悪い方にはOD錠は不向きなので注意が必要だ。

 最後に、グリメピリド錠0.5mg「三和」のIFを紐解いてみる。

1.開発の経緯
 グリメピリドは、第3世代のスルホニルウレア系経口血糖降下剤(SU剤)として1995年6月にオランダで承認され、現在は世界70ヵ国以上で使用されている。
 グリメピリド錠0.5mg「三和」、グリメピリド錠1mg「三和」は、扱いやすいサイズ及び形状とすることで分割がしやすく、用量調節しやすい製剤で、しかも分割したときの成分含有量が均一の製剤を設計目標とし、㈱三和化学研究所により後発医薬品として開発された。

 なるほど。もともとハンドリングの問題も想定されていたわけだ。今回は偶然だったが、GEの採用薬を考えるうえで、薬剤サイズの問題も忘れずに考量したい。

 
 

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2010年5月14日 (金)

レニベースからレニベーゼへ

ジェネリック医薬品(GE)への変更
今年度より「変更調剤」も認められた
薬局薬剤師をアピールするチャンスだ!

CASE 58

67歳 女性

処方:
Rp1) バイアスピリン錠100mg 1T / 1x朝食後
Rp2) レニベース錠5mg 0.5T / 1x朝食後
Rp3) アーチスト錠2.5mg 1T / 2x朝・夕食後
Rp1)~3)35日分

GE変更:
Rp2) → Rp4) レニベーゼ錠2.5mg 1T /1x朝食後

患者から得られた情報:
①胸痛で入院していた
②入院中よりRp1)~3)服用中
③服用により気になる症状なし

□CASE 58の薬歴
#1 レニベースの安定性について
 S) 胸痛で入院していた
 O) 入院中より処方薬を服用
 A) レニベース(5)半錠により硬度低下・力価不明
   2.5mgにするかGEに変更がいいだろう
 P) レニベースの安定性ならびにGEについて説明
   レニベーゼ(2.5)へ変更となる

□解説
 レニベースは「吸湿により、錠剤の硬度が低下する」という性質がある。裸錠薬袋(保存条件21℃、RH60%)にて2週間で硬度が6.5kgから2.9kgに低下する。半錠にするとなるとさらに低下するだろう。

 萬有製薬のMRによると、これから夏にかけて錠剤がグニャグニャになるケースが多く報告されているそうだ。ちなみに4週後までは力価低下なしを示すデータがある。

 安定性低下の回避策として、以下の2点を考えた。
1)疑義照会にて、レニベースの2.5mg錠に変更してもらう
2)GE変更にて、レニベーゼ錠2.5mg 1T / 1x に変更する

 患者に事情を説明し、回避策2)を勧め、GEへ変更となる。
 

□考察
 今年度、GE使用促進のため、薬局に大きなインセンティブがついた。当薬局でもGEのデータをよく吟味した上で、導入を進めている。数量ベースで35%を占めるほどになった。

 たしかにGEの推進は、薬局薬剤師が積極的にやらなければならない仕事であることに間違いはない。しかし、これは本質的なものではない。経済的な問題であり、大局的に考えると、一過性のものにすぎない。だからといって、何もしないのはもったいない。

 まず患者に対して、薬局薬剤師をアピールできる。患者は医師よりも薬剤師に対してのほうが相談や質問をしやすい、と私は感じている。であるならば、薬局薬剤師がその気になれば、GEの使用促進は進むはずだ。結果として、患者がさらに薬局薬剤師を頼りにしてくれるだろう。

 さらに、今年度より「変更調剤」(含量違いへの変更調剤)が認められた。その目的は薬局の在庫管理の負担軽減がその主たる目的だが、その為だけに活用するのではもったいない。

 薬剤師の裁量だけで処方そのものをブラッシュアップすることも可能なのだから。

 経済的なものから‘患者の服薬の負担を減らす’もしくは‘薬の安定性を確保する’といった薬学的なものへと、変更調剤を換骨奪胎していきたい。

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