麻黄剤による不眠
カゼ薬は眠くなる?
葛根湯、小青竜湯、麻黄湯
漢方のカゼ薬による不眠
CASE 110
83歳 女性
定期処方:
Rp1) ワーファリン錠1mg 2.5T・ガスターD錠10mg 1T・イルベタン錠50mg 1T / 1x朝食後 21日分
2) ムコスタ錠100mg 2T・サンリズムカプセル50mg 2C / 2x朝・夕食後 21日分
3) マイスリー錠5mg 2T / 1x就寝前 21日分
4) ツムラ葛根湯エキス顆粒 7.5mg / 3x毎食前 7日分
患者のコメント: 「カゼ薬は眠くなるから、寝る前に飲んでいる」
薬歴から得られた情報:
① 定期処方は前回Doでここ数か月変更なし
② マイスリーは1錠でよいときも追加して2錠になることもある。
③ 葛根湯は頭痛時に服用
□CASE 110の薬歴
#1 葛根湯による不眠悪化
S)カゼ薬は眠くなるから、寝る前に飲んでいる
O) 葛根湯→カゼ薬→眠くなると思い込み(+)
寝つきが悪く、マイスリーを1~2錠服用中
A) 麻黄剤が不眠を悪化させているのでは?
P) 葛根湯は眠くなるどころか寝つきを悪くしてしまう。
寝る前は避けておきましょう。
R) 知らなかった~
□解説
葛根湯や小青竜湯、麻黄湯といった麻黄剤とよばれる漢方に共通する注意点のひとつに「不眠」がある(麻黄湯とその派生処方 その2参照)。
症例の患者は頭痛薬として葛根湯を使用しているとの記載はあるが、実際にどのタイミングで服用しているかまでの記載が薬歴にはない。
この点を確認してみると、「カゼ薬は眠くなるから、寝る前に飲んでいる」という。ここにフォーカスする(S)。頭痛薬としてはじめた薬をカゼ薬と認識しているのも、葛根湯なら充分にあり得る。なんせ有名だ。
患者情報をみると「眠れない」とあり、マイスリーを服用している。しかも2錠必要になることもあるとの記載がある(O)。
これは葛根湯がいたずらしているのでは? と考え(A)、寝る前の服用は避けるようにと服薬支援を行っている(P)。
□考察
この症例では、次回来局時にはすでにマイスリーを2錠飲むことはなくなっていた。似たようなケースを小青竜湯でも麻黄湯でも経験している。その原因はもちろん薬剤師サイドのアナウンス不足。これは間違いない。
そしてもう一つ垣間見える傾向に、患者の思い込みがある。「カゼ薬やアレルギーの薬は眠くなる」。だから、寝る前に飲んでおけば問題ない、となるわけだ。
漢方のカゼ薬やアレルギーの薬は眠くなりません。寝つきを悪くすることもある。
麻黄剤が続けて処方されるようなときには忘れずにアナウンスしておきたい。
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